28日目。明日から突然の入院

4/27(火)は、血液の専門の先生にお話を聞く日。今まで何度もがんセンターには行っているけど、検査ばかりでまだ治療は始まっていなくて。やっと、これからの具体的な治療や今後について話す、ということだった。

朝はおばあちゃんを、おじいちゃんと犬ズと見送った。リビングからゆっくりと玄関へ、車へ移動。出発する前からしんどそうだった。春らしいカジュアルな服(私や母のお下がり)で、帽子をかぶる。帽子は髪の毛や頭が小さくなってしまったため、家にあるたくさんの帽子はほぼサイズが合わず、唯一小さめという黒い帽子をかぶっていった。おじいちゃんも最後まで玄関から見送っていた。

犬2はおじいちゃんに預けて、私は犬1と2Fで仕事。順調だった。けど、パパからCメールが1通。16時。「明日11時入院になりました。急だけど一安心。」などなど。「一安心」の意味が、何をもって一安心なのかわからず、焦る。わかっているのは明日から入院だということ。ひとまず、涙が出てくる。パパの言葉足らずな説明にむかつきながら、ママからの後から入ったLINEで状況がわかった。

急だけど、明日から緩和病棟に入院することになったの。GW中の急変に備えるために。この病気は急変するかもしれないらしいので、その時のためにも安心するためにも、提案された。面会はNG

理解。ただ、入院したらもっと弱ってしまうのではないかという心配の方が大きくて、二度と家に戻ってこられなかったらどうしようと悲しくなり、ゴミ箱が満杯になるほど涙が出てしまった。「緩和病棟」を調べ、意味はわかった。たしかに家で急変になったら困るし、まだ家だってもしもの時のための備えがない。病院に入ったほうがプロが見てくれているわけで安心。おばあちゃんも苦しい時すぐ処置してもらえるし、そっちの方がいろいろな面で安心なのはわかってる。けど、面会もできないし、スマホも持ってないし、何よりおばあちゃんが心細いのではないか、不安でしかたがなかった。

明日から入院、もうすぐ帰宅、とわかっちゃ仕事は手に付かない。とりあえず早退して、おばあちゃんが帰ってきたときに笑顔で迎えられるように気持ちを落ち着かせた。手を洗ったときにすぐにお湯がでるようにセッティング、ベッドも整えた。そしたらすぐに帰ってきた。

とても疲れたようで、すぐに横になった。つかさず、犬2もおばあちゃんの腕の中へ。特等席。私や母は、そっこうで入院の準備。そうこうしている間に、今日帰ってくる予定ではなかった妹が帰ってきた。病院でのやりとりを聞きながら、持っていく薬を整理しながら、こっそり泣いた。何をやっても涙がでてきてしまう。目も鼻もガサガサだ。ママがおじいちゃんに明日から入院する旨を伝える。しっかり、補聴器付きの耳で聞いている。あまり感情が外にはでないおじいちゃんだけど、背中が少しびっくりしていて、ショックというか、寂しいというか、そんな気配が感じられた。

母がおばあちゃんの薬やパジャマを買いに行っている間、おばあちゃんの薬を整理しながら一緒にテレビを見た。なんも変哲もなく、普通の日常。テレビを見ながらよくケラケラ笑っていたおばあちゃん、今日も声量少なめだったが笑っていた。こんな日が一生続くと思っていたのにな。2Fにいても、おばあちゃんの笑い声が聞こえてくる日常。尊い。

そして弟も帰ってきた。今日は3姉妹弟が久々すぎるほど久々に集合。ママがでかけている間に、おじいちゃんとおばあちゃんの夕食の準備を、妹とせっせとした。明るい声で「ごはんできたよ」と声をかけ、おじいちゃんをリビングに呼ぶ。最近はお子様ランチのように1プレートでご飯をだすのだけど、急にそのご飯も愛おしくなり、こっそり写真を撮った。

病院でだいぶ疲れているようだったけど、ご飯は食べるとおばあちゃん。大好きな水餃子(パパの戦略)もちゃんと食べてくれた。家でのご飯をこれから当分の間はおじいちゃん分しか用意しなくていいのは寂しいな。

薬リポバス失踪事件を見事に弟が解決し、持ち物リストを見ながらみんなで荷物の整理。いちいち涙が出そうだったけど、がんばって気丈に振る舞った。途中、おばあちゃんと孫3人の4名、追加でママの5名で写真を撮った。これは孫3人が揃うのが久々だったから撮っただけ。そういう記念に撮っただけ。また退院したら写真を撮ろう。絶対に。うるっときたけどこらえた。ただ、妹が帰宅する時、おばあちゃんに寄り添って、手をさすり、肩を抱き、頬をスリスリして、明るく「またね」と言って帰っていく時、おばあちゃんの見えないところで、おばあちゃんのベッドに座りながら涙。しっかりしているんだよな、妹は。

ママとふたりで12時過ぎまで入院の持ち物の整理や書類書きのお手伝い。急遽すぎて買い出しもいけず、家にあるものでなんとか用意ができた。持ち物にかわいいマステを貼って名前を書いたりした。いつもおじいちゃんは、夜ごはんを食べ終わったらわりとすばやく寝る準備を始めるのに、今日はずっと起きていた。多分、心配していたんだと思う。

明日からどれくらい入院なのかわからない。GW明けるまで、10日なのか、2週間なのか、はたまたそれ以上なのか。ただ、絶対に帰ってきて欲しい。おばあちゃんが帰ってきた時、おうちでよりよく過ごせるように準備をしたい。いったん、おばあちゃんがいないので、あとはおじいちゃんの夜ご飯の支度くらいしかないのだけど(朝ごはんもお昼ごはんも、おじいちゃんは自分でルーティンがあるので手助けは不要)、まだ実家にいようと思う。ママもきっといっぱいいっぱい。気丈にふるまって、いつもおばあちゃんには笑顔で接して、それでいてかなり緊張感をもって気を張っているはず。なので、木曜はきっとぐったりじゃないかな。美味しいごはんでも気晴らしに食べにいきたいな。ママの大好きなスイーツも一緒に。

今日は疲れているはずなので、おばあちゃんもぐっすりなはず。明日はまた9:30に出発するらしい。わたしは今、迷ってる。家で見送るべきか、病棟には入れないとしても、車でついていくか。縁起が悪いので、大げさにはしたくないのだけど、これを書いている4/28・1:48、まだ迷っている。

仕事は二の次。自分の健康や気持ちを1番に生きたい。幸いにも、会社の上司たちは「家族優先に」と言ってくれている。といっても、元々GW前ということもあり仕事は詰まっている。天秤だ。迷う。祝日の木曜、ある程度やればいいという案もあるのだが。このあともう少し仕事をやって、明日どっちの判断を自分がしても大丈夫なようにするべきかな。

今日は動画もボイスの録音も何度かした。おばあちゃんの動いている姿や、みんなとの会話が、かけがいのないものだとわかったから。当分撮れなくなるけど、またみんなで自宅でおばあちゃんを迎えたい。きっと大丈夫。大丈夫。大丈夫にきまってる。

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