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睡眠具-looking

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小説『睡眠具-looking』のまとめです。同性愛描写があります。
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記事一覧

睡眠具-looking(7)

気が動転していた。ライマがこちらを見ていない隙に鞄にぬいぐるみを詰め込んで、外へと運び出…

田中 油虫
1か月前
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睡眠具‐looking(6)

眠れるはずがなかった。こうなる以前のように、ライマの盗み撮りを目に流し込んでみても、まる…

田中 油虫
1か月前
1

睡眠具-looking(5)

「ねえ、ティコはいつも起きてるけどさ、眠くなることってないの?」 答えるはずもない、ティ…

田中 油虫
2か月前

睡眠具-looking(4)

近頃はひとりで、駅から電車の中、そして最寄り駅から家路までをぼうと夢想しながら帰ることに…

田中 油虫
2か月前

睡眠具-looking(3)

チョークがカツカツと黒板に当たる音が響いている。退屈な頭で昨日見た夢を思い起こしていた。…

田中 油虫
4か月前

睡眠具‐looking (2)

結局、先日の夜は一睡もできなかった。ジリジリとした焦燥感で頭がいっぱいになり、つい通学路…

田中 油虫
5か月前

睡眠具‐looking(1)

スマホの時刻は午前三時を回った。布団に覆い被さった暗闇の中、彼女の声をイヤホンで聞き続けている。 「最近、あんまりよく眠れてなくてさ。」 声の主は、クラスメイトのライマである。彼女は私の家のソファの上、私に凭れ掛かっている。昼下がりの陽射しが彼女の美麗な顔立ちを照らし出している。 それに比べて私の顔はどうだろう。鼻の下は伸び、耳まで真っ赤に染まっているのがカメラ越しにも見て取れる。なんとも情けない。 「もう、ルッキの膝で寝ちゃおうかな。」 ライマの呟きを聞いた私の表情は、よ