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【第14回】第1号議案の重み

去る3月13日、宮城県議会2月定例会が終了しました。終わってから一カ月、令和6年度に県が実施する施策の内容を確認しつつ、「第1号議案」いわゆる県政の骨格である新年度予算の重みについて熟考してきました。

議員になり、初めて本予算(次年度予算)を審議する重要な議会に臨みましたが、今回、宮城県議会は「令和6年度宮城県一般会計予算」に附帯意見を付して可決という重い判断にいたりました。つまり、議会としては条件付きで賛成したかたちになりました。

附帯意見の内容は以下になります。

【附帯意見】
一.仙台医療圏の病院再編については、国の「重点支援区域」の選定において付された条件を踏まえ、県として、関係者等への丁寧な説明に努めること

一.がん医療機能が将来にわたって維持されるように、県が責任をもって協議に当たること

予算案に「4病院再編」に関する内容が

今回、県から提出された約1兆238億円の予算には、4病院再編に関して、仙台赤十字病院と宮城県立がんセンターの基本合意にもとづいて新病院整備費の一部に当たる26億円を基金として積み立てる内容が含まれていました。

ご存知のように、今、宮城県では4病院の再編構想が大きなテーマになっています。特に、その対象地域として病院移転が検討されている仙台市においては、首長や地元住民など慎重な意見が占めています。

これは、もっともだと思います。病院が移転することで地域の医療体制がどうなるのか、患者、医師および看護師などの病院従事者はどうなるのか、その不安や心配に対して、宮城県から詳細な説明がされてこなかったからです。県が検討を進める医療構想全体のメリットやデメリットが、あまりにも県民に分かりづらい状況が続いてきました。

今年1月、厚労省は仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合に関する基本合意ついて、財政支援や技術支援を行う「重点支援区域」に選定しましたが、「仙台市など関係自治体や影響を受ける地域住民に対して、丁寧な説明を行い理解を得ること」という、全国で初めて異例の条件が付けられました。

また、上記の基本合意によると、合併する両病院を合わせて約400床程度の規模を想定しています。現在の病院規模が半減する見込みで、政策医療として県のがん対策を担ってきた県立がんセンターの機能(難治がん、希少がん、ゲノム治療など)が、どこまで新病院に引き継がれるのかも不透明なままです。

「第1号議案」と4病院再編の賛否

議会中、公明党県議団として、何度も議論を重ねてきました。現在の4病院再編構想は不明瞭な部分も多く、賛成はもちろん、その是非を判断するのは時期尚早との意見が強くでました。最終的には、今回の26億円は基金への積立が目的で、現段階では病院移転を進める為の直接的な支出を伴うものではなく、予算への賛成をもって〝4病院再編の賛否まで〟明らかにするものではないとの判断にいたりました。

第1号議案と呼ばれる「令和6年度宮城県一般会計予算」には、河川の改修など防災・減災対策、子育て支援、教育および警察行政など県民生活に直結する施策が反映されています。また、これまで公明党県議団として知事に申入れを行い、推進してきた事業も多く盛り込まれています。仮に新年度予算の執行が遅れたり、滞る事態が発生すれば、多大な影響が出るのは必死です。

この第1号議案に反対することは、大変な判断だと熟考しました。よって、上記で触れたように、「附帯意見」という条件を付け、4病院再編構想については、行政側が十分な説明を果たすよう強く求めたわけです。

まとめ

県民から付託された議員が、議会での採決、つまり「表決権」を行使することは重大な責任であり、その賛否は一生涯、県政の歴史として残っていきます。それだけ、新年度予算案である「第1号議案」は重大な議案だと思います。

成立した「令和6年度宮城県一般会計予算」の執行を通じて、地域経済の発展、県民の命を守る対策、未来ある子ども達への支援など、県の発展のために取り組んでいきたいと決意しています。今後も宮城県議会議員として、責任ある判断をするためにも、日々、研鑽を重ね行動してまいります。

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