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自粛と補償について思うこと

新型コロナ。

今世間では、自粛と補償についての様々な主張が飛び交っている。

その多くが、

「自粛を求めるなら、その損害に対して国が補償すべきだ。」

というものだ。

そうした主張で、多くの署名活動も行われている。

批判を承知で、自分自身はこの主張や動きに対しては全く賛同できないし、身勝手で自己中心な主張だと感じている。

あるいは、怒りの矛先を向ける方向を間違っているのではないかと思うのだ。


1. それは我田引水ではないのか

色々あるが、この動きに対する政府の答弁は、自分は真っ当だと思う。

「税金を使用して特定業種へ補償することはできない。」

そう、「国が補償すべきだ〜」で盛り上がっている人々は、自分のお金もその「国」に含まれていることに、考えが及んでいるのだろうか?

一時期、和牛業界保護のため「お肉券」を配るという救済案が、多くの批判に逢い、立ち消えになった。

今起こっているのは、全く同じことだ。それが劇団であってもオーケストラであってもライブハウスであっても観光業界であっても飲食業界であっても風俗業界であっても、それは声を上げた特定の業界に、我々が納めた税金を使われるということである。

ちょっと冷静になれば、これがおかしいということに、誰もが気づくのではないか?

こんなことがまかり通れば、美談でもなんでもなく、単なる我田引水である。


2. 三方一両損にすべき

じゃあ、どうするの。うちの業界は今回の自粛で、本当に苦しいんだ。

そんな声が聞こえてきそうだ。

まず一つ言いたいのは、苦しいのはあなたたちの業界だけではない、皆が苦しいのだということ。人の流れが遮断されているのだから、経済的には苦しんでる人が大半のはずで、世界中がそんな状況なのだ。

けれど、これではなんの解決にもならないですね。


理想は三方一両損。でも現実はそうなっていない。

言うなら二方一両損で、我々に損をさせて自らは一切損をしないようにしている連中がいるということ。

飲食店業界の逼迫で言われるのが、「休業しても従業員への給料、テナント料は支払い続けないといけない。」という窮状。

ん?従業員は確かにそう、被害者。で、テナント?テナント料はコロナの影響なし?

つまり、多くの業種が大変な窮状にある中で、大家・オーナーは平時と変わらずテナント料で稼いでいるというわけだ。

大家・オーナーは、ぜひ長期的視点に立って考えて欲しい。

今、自分は影響を受けず貯蓄を増やしたとしても、もしテナントに入る店が軒並みなくなったら、ゆくゆくはあなたも窮状に陥ることになる。

こんな状況知ってないはずないのだから、この人たちがテナント料を減免したりしてあげれば解決することもあるのではないか?


3.矛先を向けるべきは

もう一つ、自らは影響を受けず、我々に苦しみをしいている人々がいる。

「早く補償をすべきだ。現金給付すべきだ。」

と国会で叫んでいる人々、国会議員の皆さん。

彼らはコロナだろうと、失業者が増えようと不景気で税収が減ろうと、年間2000万とも言われる歳費や政党交付金やその他手当が与えらている。

与党はコロナの対応を誤ろうと、野党はこの局面でも週刊誌ネタによる与党批判ばかりで全く役立っていなかろうと。

こんなの民間の会社なら絶対ありえないことだ。

自分はこう求める。

「補償を税金から捻出するな。議員さんも身を切って歳費・政党交付金を一部返納し、そこから補償費用を捻出しろ。」

と。

もちろん一人の議員や特定の政党のみがやれば選挙違反になりそうなので、全員一律で。

この局面で、そういうことを提起して実行するような勇気ある議員や政党が全くなく、延々と税金からの補償を論じる現状に、果てしない違和感を感じるのだ。

特に、野党なんて、こんな時すごいチャンスなんじゃないかと思う。

その程度の支持しか得られてないのだから、この危機に、お得意の「野党勢力結集」して、勇気ある行動を率先して提案して実現させられたら、桜とか森友とかやるよりよほど政権交代に近づけるだろう。もしそれが与党の反対で実現できなければまたそれも追い風になるだろうし。

まあ、それができないから、その程度の支持に甘んじてるんだろうし、国民からなにも期待されない万年野党のままなんだろう、と諦めてみる。


だから署名活動している人たちにも言いたい。

補償を求めるなら、国じゃなくて国会議員たちに補償させるべきでは?


1.補償を求める人へ。その財源について考えてる?

2.大家さんへ。自分の富ばかり優先して人に損させると、後で必ずその報いを受けることになるよ。

3.国会議員へ。「国民の生活が第一」とか言っても、自分の身を切る話ができない限り、皆同じ穴の狢だ。