二度と戻れないあの場所

俺の周りではダーツをやる人が多い。
休憩中の喫煙所では「仕事終わりにダーツ行こうよ。」「最近調子がうんたらかんたら」のような会話やタバコをダーツの矢に見立てフォームの確認。
後輩もフォームの確認をしていたが明らかに俺を的に見立ててたので500メートルくらいぶっ飛ばしといた。

そんな中でよく言われるのが「及川さんダーツやらないんですか?」「及川さんもダーツやりましょうよ」

ダーツか…

やら ない

俺はタバコに火をつけた。

いや、「やらない」ではない「やれない」のだ。

俺もダーツをやったことはある。東京フレンドパークを見ていた人間ならダーツでパジェロを当てるのが夢だったはず。
それと高田純次みたく一度持ち帰った金貨を持ってきてダーツの矢と交換したかった。
ダーツは憧れなのだ。

しかし、俺は初めてダーツをやった時にまさかのイップスになってしまった。
ダーツってどうやって投げるの。右がダメなら左で投げてみよう。あぁ、やっぱりダメだ投げれない。投げたとしても的には行かない。外れてしまう。東京フレンドパークだと的の外に名前を書かれてしまう。ピッチャーなのに外した石井一久の横辺りに俺の名前も書かれてしまう。アァァァァァァァァァァァァ!!!

その日から俺はダーツをやることはなかった。
ダーツBARに行ってもウィスキーの水割りを飲むだけ。ダーツの矢を手に取るとどうしてもブルっちまう

ダーツだけにね!

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