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最悪の美術センス

中学生の時の話。
美術の授業で漢字を絵で表してくださいという課題が出た。
自分は絵のセンスはないが何かを作ることは好きだったので直ぐに課題に取り掛かった。
まずは漢字を選ぶことから始まる。課題が出た瞬間に思い浮かんだ漢字が

「吐」

言葉は大切。夢や目標が叶うのためには言葉をちゃんと「心の音」として表に出すことが大事。

『口』に『土』で『吐く』という漢字になる。

夢に向かう途中で、挫折しそうになることもあるだろう。

弱音を吐く、弱い言葉を吐く。

「目標が遠い、怖いよ、逃げたいよ」そんな言葉を吐いているうちは、目標にたどりつくことは出来ない。

この『吐』という漢字は、口からプラスの言葉とマイナスの言葉が出ている。

吐いた言葉から「できないかもしれない」「無理かもしれない」といったマイナスな言葉を消していく。

すると、いつしか『吐く』は『叶う』になる。

TIMゴルゴ松本「命の授業」より引用

ゴルゴ松本氏は上記の様なことを言っているが、自分は完全にゲロを想像して「吐」という漢字を選んだ。

次は「吐」という漢字をどう絵で表現するか。
これも直ぐに思い浮かんだ。先ず「口」は人間の口の絵を描く。そして「土」はグニャグニャとした様な形にする。

大変だったのは配色だ。
「口」は人間の口を再現する様に赤く塗る。「土」は出来るだけゲロに近づける為、納得がいくまで何度も絵の具を混ぜた。混ぜていく内にゲロ色が完成した。ゲロ色というよりはゲロを完成させたという方が正しい。

ここからが本作業。下書きをした「吐」という字に色を塗る。口は赤く染め、土にゲロを塗る。塗るというより土に上にゲロを吐く。

そしてクラスで1番早く絵を完成させたのは自分が描いた「吐」という作品だった。
これを先生に見せに行った時に先生は
「これは、あぁ…吐くかあ。うん、あぁぁ。」
と普通に困らせた。

できた作品は美術室内に飾られる。他のクラスの生徒や美術部にも自分の「吐」が見られる。ゲロが見られる。
これを芸術と思ってた自分の美術センスは最悪である。

ちなみに自分で飾れる場所を選べたので「食」を絵にした友達の横に「吐」を飾った。


当時の絵を再現 ※色無し

口は赤、口からも少しゲロを出している
土は完全にゲロ色

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