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マンションチェックポイント(新築マンギャラ編)

過去に新築マンションを一度も購入したことがない私がこのテーマで書くのはおこがましいのですが、リフォームや建材、住宅設備等に興味があって普段から情報収集に余念がない私の目から見た、ちょっと意地悪な新築マンションギャラリーのチェックポイントを書いてみます。


私がチェックする主なポイントは、マンションデベロッパーが物件価格に見合った部材や設備を使っているかどうかです。
近年、特に価格が高騰している新築マンションですが、35年ローンを組んで長期の返済を強いられるのに、購入者が気づかないところでコツコツとコストダウンを積み重ねている物件を見ると残念でなりません。

私の見極めの根拠は、リフォーム市場との比較です。
リフォーム市場では、各メーカーがしのぎを削って新製品を投入し、低価格品からハイエンド品まで幅広く品揃えしていますが、高額なタワーマンションですら最新のハイエンド品が採用されていることはまずありませんし、中には平均に満たないグレードのものも見かけます。


例えば洗面脱衣所の引き戸。
リフォーム市場では2006年頃からソフトクローズ機能付き扉が出始め、数年後には殆どのリフォーム現場で当たり前のように採用されていましたが、新築マンションで採用され始めたのはずっと後になってからですし、未だにこの機能がない安価な特注品が採用されている新築物件も見かけます。


例えば便器。
便器の大きさにはエロンゲートサイズと呼ばれる大型サイズと標準サイズとの2種類がありますが、現在一般住宅向けに発売されているのは殆どが大型サイズで、標準サイズは主に賃貸住宅用となっています。

見分け方は簡単で、ウォシュレットやシャワートイレの先端部分と比較して、便器の先端と揃っていれば大型サイズ、便器が数センチ奥まっていれば標準サイズです。

ところが新築マンションでは、未だに価格が安い賃貸用の標準サイズをよく見かけます。
マンションギャラリーでここをチェックする人はまずいないと思いますが、機会があれば是非便座を上げてチェックしてみてください。
かなりの確率で標準サイズに出会えますよ。

さらに、設置されている温水洗浄便座も賃貸マンションに設置されているグレードのものをよく見かけます。


例えばシステムキッチン。
全て引出し式になっていても、ソフトクローズ機能の無いものが未だにあります。
リフオーム市場では低価格品以外は既に標準仕様になっています。


例えば巾木。
玄関がタイル仕上げであれば同素材の巾木を、それ以外の居室は木巾木を使っているケースが殆どですが、トイレや洗面脱衣所には安価なビニール巾木を使っている物件がかなりあります。


例えばフローリングの貼り方。
家全体の床をひと続きの一枚の床に見立て、各部屋の入口(ドア下)に見切り材などを入れずにすべて同じ方向に敷き詰めるのがベストですが、これをを上手く収めるには手間と職人の技術力が必要ですので、人件費を抑えるためには見切り材を入れてエリアごとに貼っていくことになります。


例えばクロスの貼り方。
腕のいい職人は入り隅(壁と天井、部屋のコーナーなど90度に突合わさった部分)の仕上げに極力コーキング材を使わず、ゼロコンマ数ミリ単位で重ね合わせて貼るため継ぎ目がわかりません。
一方、入隅がコーキングだらけで額縁のように継ぎ目が目立つ仕上げは、工賃を抑えた結果と言えます。


例えばクロスのグレード。
リフォーム市場では機能性やデザイン性を売りにした1000番クロスが主流ですが、新築物件では主に賃貸物件に使われる安価な量産クロスを貼っています。


私は普段から部材や住宅設備機器メーカーのショールームに足繁く通っているので、上記以外にも「あれっ?まだこんな部材使っているんだぁ」と気づくことがよくあります。

新築マンションを検討中の方には、是非一度住宅設備メーカーのショールームに出向いてもらい、検討中の物件の仕様がどのグレードに該当するのかを確認し、納得の上で購入されることをおすすめします。

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