見出し画像

映画館で「ある閉ざされた雪の山荘で」見たよ

原作は10年前以上に既読。ネタバレあり。

映画として閉ざ雪はよかった。全員役者、全員容疑者。がキャッチフレーズ?なだけあって、全員役者の矜持が見て取れて感動したし、登場人物みんな30代前後だと思うけど青春だった。2重3重のトリックなのに、それを俳優さんが演じないとならないからまたひとつ嘘を重ねないとならないという、面白い映画でした。

現代にブラッシュアップした舞台って聞いて、スマホがある時代に密室にするの難しいだろうなと思ったし、原作は死体の場所にメモが置いてあった気がするけど、なんかデスゲームみたいになってたな。

1回目見たときは、どれだけ実写化してるのかってところを、原作ファン視点で見たから、結構斜に見てたから、雅美の事故が雪の事故じゃなくて交通事故に変えられてたのとか、雅美の復讐の鬼になってしまったところが弱く見えて、ちょっと惜しいかなって感じだった。本多が雅美のために(狂言)殺人をしようとする動機が少し弱くないか?確かに許せない事故ではあるけど、劇団の仲間ってだけでそんなことやるか?みたいな。だし、久我が他の団員の印象に残ってないのにオーディションに参加できたのはなんで?東郷先生の琴線に触れたんだろで納得できるんだね。死にたいとか役者として死んだからもう死んだも同然と思ってる人に、何もかも持ってる人(持っているように見える人)に生きよう一緒に芝居しよって言われてもくそムカつくよな。

2回目見たときは画面に映る全てが伏線って言うから、全部暴いてやろうの気持ちで見たけど、被害者だけキャリーバッグなのも伏線なのかな。2回目の方が映画として純粋に楽しむことができたな。最後の舞台で雪から桜に変わる紙吹雪が綺麗で舞台っぽいなと思った。

自分はど素人だしお金も時間もわからないけど、もう少し劇団の過去編を掘り下げてほしかったかも。あとは久我くんのオーディションを少し受けている場面があれば、悪くない演技だ…的なやつできたのでは?とも思う。

今をときめくアラサー俳優陣が豪華でもう十分すぎたけど、森川葵さんの最後に賭けてるオーディションの力の入れ方すごくて、本当に頭2つ抜けてるんだろうなって感じだったし、たぶん山荘に隠れてるときの頭がべたべたになっているのとかで執念を表してたんだろうな。温子と殴り合いして雨宮が吹っ飛ばされているところ面白かったけど、森川葵さんの演技がよかった。それと堀田真由さんの温子もむかつく人物でよかったな、わざと煽る言い方したり、からかってやろって電話するとき、ずっとヘラヘラしてたのに、事故の報告するときの演技も、事故が聞こえたときの演技も良くて、全員演技素敵だったけど、この二人が一番印象に残っている俳優さんだな。

個人的には、実写化としてではなく、映画としては評価高いかなって感じ。これはWEST.のファンとしての意見だけど、FICTIONのミステリーっぽい曲の感じと舞台役者演技みたいな歌詞がマッチしてて良いし、神ちゃんと流星くんのラップの最後のところ劇場では右と左とそれぞれで聞こえてきてすごかった。映画の最後の爽やかな終わり方っぽさもあり、映画も曲もどこからどこまでがフィクションとノンフィクションかわからなくて、何回見ても楽しい映画、曲と思います。レイトショーで見たとき、エンドロール見ないで帰った人いて、FICTION聞いてってや~って気持ちになってた。夜遅いからね、早く帰りたいよね。

映像化するにあたって色々な制約があると思うから、実写化だからって期待値を100にすると肩透かしかも。本当に、映画としては97くらい好きだし面白いよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?