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「親に頼んででも続けたい教室が理想」タノスポ代表取締役 滝本悠生さんインタビュー

「タノスポ始まってます!」

指導員と子どもたちの明るく元気な声が響き渡る幼稚園のホール。間髪入れず次のメニューが始まり、あっという間の1時間。子どもたちの笑顔も絶えることなく「もう終わり?」とつぶやく子も。

今回ご紹介するのは、株式会社タノスポ代表取締役の滝本悠生さん。2013年に「楽しいスポーツ=タノスポ」を創業し、千葉県を中心に活動しています。どのような想いで活動をしているかを伺いました。

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💡滝本悠生さんはこんな人

・千葉県船橋市出身
・順天堂大学スポーツ健康科学部卒
・大学では陸上競技部所属
・音楽一家の影響で音楽・リズム指導が大好き
・新卒後5年間、幼児体育専門の会社に従事
・その後3年間、別の幼児体育専門の会社に従事
・その後独立、タノスポを創業
・個人事業主3年、その後法人化

ー理想の教室は、自分が小学生だったら親に頼んででも続けたい教室ー

大人気マンガ『ワンピース』の主人公・ルフィは、作者の尾田栄一郎さんが考える理想の子どもだと話しています。実はタノスポも似た考えを持っています。

「自分が小学生だったら、親に頼んででも続けたい教室が理想ですね」

滝本さんは陸上競技のリーディングカレッジ・順天堂大学出身です。陸上競技部で4年間を過ごし、多くの時間を費やしてきました。しかし、ある時、壁にぶつかります。

「高平の走りに見とれちゃったんだよね。そこから俺には無理だと感じてしまったんだ」

2008年の北京オリンピックで銀メダルを獲得した高平慎二選手。高平選手も順天堂大学出身で、滝本さんは高平選手の3学年上。ライバル心を燃やすのではなく、見とれてしまったといいます。

大学生として過ごす多くの時間を費やしてきた陸上競技。怪我なども重なり、「辛かった」と語ってくださいました。

しかし滝本さんは、「運動は楽しみたいすべての人のためにある」と信じていました。陸上競技でトップを目指していたころは辛さもありましたが、そもそも身体を動かすことは今でも大好き。その根源は、ご自身の幼いころの体験にさかのぼります。

幼いころから運動が大好きで、常に外で遊ぶ子ども時代を過ごしていたといいます。陸上競技はその延長線上で始めたのでした。続ければ記録は伸び、いつしかトップを目指すようになり、少しずつ辛くなっていったといいます。

結果を追求する競技から離れ、「運動って楽しい!」という原点に立ち返った時、幼児・小学生期にこそ、楽しい運動を伝えていきたいと思うようになりました。

ー運動は楽しみたいすべての人のためにあるー

だからこそ、「自分が小学生だったら、親に頼んででも続けたい教室」を目指し「タノスポ」という名前で活動を始めたのです。

ー教室は、僕がガキ大将としてわがままにやっているんですー

タノスポの教室は、間髪入れずにプログラムが進んでいきます。休憩の時間が惜しいと感じ、1時間があっという間に進むほど、時間の密度が濃く進行されています。

指導員がイニシアチブを取れば取るほど、子どもたちはそこに「ついていくだけ」になります。この「ついていくだけ」は一長一短です。

「ついていくだけ」のメリットは、指導員の雰囲気に乗るだけで楽しいということ。余計な心配をしなくても、何も考えなくても、とにかく楽しい。その空間が大好きになり、待ち遠しくなるほど、子どもたちにとっては楽しい時間にすることができます。事実、子どもたちは活動の部屋に入ってくる時にはすでに笑顔でした。

一方、「ついていくだけ」のデメリットとしては、子どもたちが考える間が無いということ。考える隙間もないくらい密度の濃い活動テンポなので、子どもたちの自発的な思考が失われる心配があります。

ですが、滝本さんはこの点について、このように語ってくださいました。

ー基礎があっての応用、基礎がないのに応用はできないー

たとえば、具材の切り方を知らないと美味しい料理が作れないように、子どもたちにも基礎が必要です。

子どもたちが自由な思考力を発揮するためには、まずは多様な身体の動かし方を知り、他の人の動き方を知り、様々な身体表現方法を知る。その基礎があって初めて、「応用」として考えることができるようになるのです。

もちろん滝本さんも、過去に様々なスタイルの指導法を試されています。じっくり考える時間を確保するスタイルも経験されています。それらの経験から、今の間髪入れずに活動を進めるスタイルにたどり着いているのです。今の子どもたちには、このスタイルが必要だと考えているのです。

「教室では僕がガキ大将なんです。ガキ大将として僕がやりたいことをやり、子どもたちはそこについてきてもらっているんです。そうやって基礎を育んでいます」

子どもたちからは「たっきー」と呼ばれている滝本さん。まさに町のガキ大将として、楽しい教室を引っ張っているのです。

ーこの仕事は楽しいということを伝えたいー

タノスポとして活動を始めて早11年目。今後取り組みたいこととして「指導員の育成」を挙げられました。

「若い人が手伝いに来てくれた時、必ず『この仕事は楽しいよ』と伝えるようにしているんです」

子どもが好きで、運動の素晴らしさを伝えたい。そう考える学生の多くは、中学校や高校の体育教員を目指します。たしかに中学校や高校の体育教員でも運動の素晴らしさを伝えることはできます。

しかし、滝本さんは幼児期だからこそ教えられることもあるといいます。だから「幼児体育」という業界があることを知ってほしいと願っています。

近年、運動の二極化により、運動をする子としない子に分かれてきています。また、運動をする子も「特定の運動だけをする子」が多く、特定の部位の使い過ぎによる故障も後を絶ちません。身体が未発達な幼児・小学生の段階こそ、いろいろな運動を楽しみながら続けることが求められます。

滝本さんは「指導者の養成」の他に今後取り組みたいこととして、「歌遊び作り」を挙げていました。リズムに合わせて身体を動かすことは、大人・子ども問わず心がウキウキするものです。

音楽一家に生まれた滝本さんだからこそできる「歌遊び作り」。タノスポがさらに楽しい教室になることは間違いなさそうです。

ー楽しい時間はもう始まっているー

とある研究によると、ヨーグルトを食べる時、最も脳が興奮するのは「ヨーグルトを食べている時」ではなく、「フタを開ける瞬間」と結論づけられています。これから起こる楽しいことを想像すると、脳が興奮するようです。

「タノスポ始まってます!」

タノスポはこのフレーズから活動が始まります。いや、もう楽しい時間はもうすでに始まっています。タノスポは、ヨーグルトを食べる前の脳のように、始まる前から子どもたちが笑顔になれる教室です。

子どもたちにとっての「楽しい」を常に第一に考えている滝本悠生さん。これからのご発展をお祈りしています!

🔎タノスポ・滝本さんの情報はこちらから見ることができます

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