保母須弥也先生の『オーラル リハビリテーション』を読み進めながら咬合の勉強 その2
ナソロジーとは
顎口腔系を機能的な一単位として研究、治療することを目的とした学問である。
1920年代に、アメリカのMcCollumとStallardによって創設された。ナソロジーの理論は、有歯顎を対象として考え出されものである。従来の下顎運動の研究は、下顎運動を精密に記録することなく行われていたため、それらのデータは漠然とした意味しかもたなかった。1921年、McCollumは、ターミナル・ヒンジ・アキシスの存在を実証し、下顎運動の測定に明確な原点が設定されることになった。1926年、McCollumは、Stallard、Stuartらをメンバーとしてカルフォルニア・ナソロジカル・ソサエティーを設立した。(Wikipediaより)
ナソロジー(英: Gnathology)の語源は 顎類(gnatho)と生理学(physiology)とをつなげたもの
McCollumがナソロジーを創設した理由とは?
McCollumは、過去の歯科医学が咀嚼機能よりも美しい歯の詰め物や被せ物に重点を置いていることに疑問を感じていました。彼は、一つ一つの歯は、あくまで咀嚼という機能を果たすための道具であると考え、歯の病気だけでなく、咬み合わせの重要性が見過ごされていることに警鐘を鳴らしました。
McCollumは、理想的でない咬み合わせは、長い年月をかけて身体に悪影響を及ぼしうると考え、この問題に対処するためにナソロジーを創設したのです。
ナソロジーの主な特徴は以下の通りです:
顎口腔系を機能的な一単位として捉え、総合的に研究・治療することを目的としています。
1920年代にアメリカのMcCollumとStallardによって創設されました。
下顎運動の精密な記録と分析を重視します。パントグラフなどの専用装置を用いて下顎の動きを詳細に測定します。
中心位咬合や犬歯誘導咬合など、理想的な咬合様式を追求します。
全口腔的なアプローチ(フル・マウス・リコンストラクション)を推奨します。
咬合器を用いた精密な咬合分析と調整を行います。
顎関節症や咬合異常などの診断・治療に応用されます。
現代では複雑な術式への批判もありますが、咬合学や補綴学に大きな影響を与えています。
gnathoは顎口腔系の機能を科学的・体系的に研究する学問として、現代の歯科治療にも重要な概念や手法を提供しています。特に咬合や顎関節の問題に対する総合的なアプローチとして評価されています。
以下に、世界と日本の歯科の歴史におけるナソロジーの年代別位置関係を含めた年表を示します。
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