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男子発言ノート

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【連載エッセイ】どうせ“私じゃない誰かを好きな”男子たちの言動について。
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2016年12月の記事一覧

「信じさせてよ」男子発言ノート24

ほんとうの砂肝はどんな味がするのだろう。 砂肝って確かざりざりした食感が苦手だったような。でもあれはハツだったか、カシラだったか……。と、出された砂肝炒めを一口かじってみるとやっぱりざりざりなのは砂肝で、すぐに取り皿に戻して隣席の友人男性・某氏に「私ダメだ。食べる?」と差し向けた。 焼き鳥屋で友人四人ほどでのお酒の席。非常識なのはわかっていた。だけど某氏なら、「何がダメなの」と言いながらパクリと食べてくれると思った。某氏はそんな人で、某氏と私はそんな関係だと思っていた。

「100人の女性と会った」男子発言ノート23

「ボク昨年、一年間で100人の女性と会ったんですよ」 ひゃっ、ひゃくにんのじょせい!? ―だぼッとしたモフモフニットが似合っちゃうような、笑顔が "キュンかわ" 、俳優・井浦新似の、見た目草食系・後輩男子の報告に同席一同おののいた。 「どうしても年内に結婚相手を見つけたくて、週に2回は合コンしてたんです」 ウソだ、毎週? 「だいたい。で、数えてみたら、一回の合コンで出会った女の人が平均3人として、単純計算でも一年間で100人の女性に出会ったわけです」 そ、そうなん

「シャキシャキじゃなかった」男子発言ノート22

メチャクチャ可愛い女の子と付き合っている男子が「彼女と大喧嘩した」という。 またか! いつものことだ。毎回「別れた」と言ってはいつの間にかヨリが戻っている。今回も大した事ではないだろうと思いながら、なんだかヤケに憤っている男子に、争いごとの原因を訊いた。すると、 「もやしがシャキシャキじゃなかったから」 ……はあ? 「彼女が作った焼きそばが、もやしがシャキシャキじゃなかったから。何コレ!?って」 それでケンカを? 「だってオレ、炒め物のもやしはシャキシャキに仕上げ

「ファッ◯ン ライス!」男子発言ノート21

ガタイの良いオーストラリア人の男の子が「コメ、キライネ……」と哀しそうに肩を落とした。 あ、やっぱりシリアルとかオートミールが恋しいのかな。 「コメ、服ニ付イテ、乾イテ、固クナル……デショ?」 ああ、そうね。カッピカピになるね。笑 「ソレ、手ニ当タッテ、Ouch!!! 痛イヨ?」 そんなに!? 「モウ、Fuckin' Rice!!! ……ネ」 ファッキン ライス。笑 米が。小っちゃなひと粒の米が。おっきな大きなあなたをそんなにイラつかせるなんて。そんな理由で米

「帰っちゃいますか?」男子発言ノート20

「おーしまさんは……帰っちゃいますか?」 飲み会終わりに一人の男性にそう訊かれたのだった。 10人前後での飲み会が終わって、「2次会行く人ー」みたいな雰囲気の中、2〜3人が「行くいくー」なんて歩き出していて、私もまぁ行っとこうかな? と思っていたところに、「帰っちゃいますか?」 パッとそう聴いて、普段ならそれは、「帰っちゃったら寂しいから帰らないで欲しいな、おーしまさん」に変換されテヘヘ♡とかなりそうなところなのだけれど、その日はなぜか、ふんっ! となったのだった。帰れ