絵本は、100万回でも繰り返し読んであげようと改めて決意した話

こないだ夕方帰宅すると、うちの母と息子が絵本を読んでいました。

「ねえ、ばあばもう一回読んで?」

「えーまた読むの?ばあば、この本嫌いなのよ、荒唐無稽で」

私は、一瞬耳を疑いましたが、息子が悲しい気持ちになることを
避けつつ、場も和ませようと思い、こういいました。

「いっちゃん、分かった。2回目から17回目は、とっとが読んであげる。
そして、18回目から43回目までは、かあかに読んでもらおう」

「私の方が多いんだね(笑)」

すかさず妻からツッコミが入りましたが・・・

母親へのあてつけたっぷりに言い放ちました。

横で母は、少し不服そうな顔をしておりました。
私が、「絵本は、そう何度も読んでもらうもんじゃないんだよ」なんて
息子をいさめるとでも思ったのでしょうか(笑)

事なきを得て(息子は、ばあばが大好きなので、本当は事なきをえていないのかもしれないですが・・・)、2回目以降私が読んでなんとかその場を凌ぐことができました。
結局、4回か5回読んで息子は満足しました。

今回の件を踏まえ、だんだんと老人になってきた母親の気持ちも汲みつつも
私が、反面教師にしたいなと思ったのは、

以下の2点です。

①”荒唐無稽”という大人都合の単語で絵本世界を否定することはやめておこう。
②100でも200回でも求めるなら繰り返し読んであげようと改めて決意したこと。

まず①。
理路整然としていて、魅力があった絵本がかつてあったでしょうか。
まあ、あったかもしれませんが笑

子どもが大好きな絵本というのは、どこかめちゃくちゃで荒唐無稽だったりするわけです。
自分の好みに合わないからといって、作品の欠点をあげつらうことで否定することは、子どもにとっては酷なんではないか。

子どもがもう一回読んで!とせがんだことにこそ、何かの答えがあるはずです。大人は根気強く付き合うのがベストな策だと思います。

そして②
絵本のいいところは、何と言っても繰り返し読んで子どもと一緒に楽しむところにあります。作品を繰り返し読むことで、馴染みの世界に没入し安心感を得て、絵に親しみ想像力を膨らませ、耳から言葉を入れて少しずつ理解を深めていきます。

これは、繰り返し読むからこそできることです。
絵本の読み聞かせに関しては、300冊読む事より、1冊を300回読んだ方が、
私はこどもにとってのプラス要素が大きいと考えます。

灘中学の橋本先生は、中勘助の「銀の匙」を3年かけて読んでいくそうです。私も大学時代、フランス哲学を専攻し、1,2ページに90分まるごとかけるゼミに属していたので、何回も読んで理解を深める読書の魅力については理解しているつもりです。

昔、計算問題や楽器の練習をしていたとき、母は「できるまで何度も繰り返しなさい!」なんて言っていたのに、絵本のことだと面倒くさくなって繰り返すことに難色を示してしまう。母もなんだか普通の大人になってしまったのかなあなんてと感慨深く感じてしまうところもありました。。

息子が生まれてから3年。3年間絵本を読み聞かせてきて、確信しているのは、子どもも大人も「継続こそが力なり」ということ。反復練習というのは現状を打破するために実は大きな武器になると思ってるのですが、大人も、子どもが望む反復には真摯に向き合うべきだと思います。

望むなら100万回でも一緒に読んでいこうと改めて決意しました。


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