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ピース又吉のyoutubeチャンネルの「走れメロス」の動画が面白かった話

九州は台風が去ったようで、雨も風も落ち着いています。
思いがけず仕事が休みになったので時間があって本を読んだり動画を見たりしています。


なんとなく動画をポチッとしてみた

昨晩この動画を見ました。
走れメロスは国語の教科書の教材として使用されていますよね。
調べたら、中学2年生のときに習うそうです。
1955年から使用されているそうなので、わたしも本作には触れたことがあるはずです。

でも走れメロスってどんな話だったかなぁって、あんまり覚えていませんでした。YouTubeのおすすめに出てきたのでなんとなく見た次第です。

走れメロスのあらすじ

妹の結婚準備のためシラクスの市を訪れたメロスは、人づてに聞いた国王による残虐な行いに激怒し、城へ乗り込みます。

王に歯向かった罪で、メロスは処刑されることになります。メロスは処刑を受け入れるものの、妹の結婚式のため3日間の猶予がほしいと述べ、親友の セリヌンティウスを人質にすることを提案し、認められます。

そして無事に妹の結婚式を見届けたメロスは、親友の待つ城へ向かって走りだします。肉体的疲労や自身との葛藤、度重なる障害を乗り越えて約束を守ったメロスの姿に、王は改心します。

マイナビニュース 『走れメロス』のあらすじを簡単に! 感想や作者・太宰治の思惑、元ネタも

メロスってこんな人だった?

太宰の作品は暗い作品が多いですよね。
わたしは東北の出身なので、同じ東北・青森出身の太宰治には親近感があります。
太宰の作品の中では本作は友情・信じる心がテーマなので、メロスが信頼する親友を暴君から守るために必死で走る話だったかな、と思っていました。 

ですが、国王が悪いやつだから成敗してやる!とメロスが考えもなしに城に乗り込んで捕まっちゃって、妹の結婚式の準備に来てたのに、ここで殺されちゃったら困るから、親友を身代わりに置いておく!結婚式終わったら走って帰ってくるから王様お願い、3日待って!っていう話。

本当策略も何もなくそんなことするからこんなことになるんじゃん…
せめて妹の結婚式終わってから乗り込んだら良かったんじゃない?
なんて思いますが、メロスは真っ直ぐ(というかバカ?)な男なので思い立ったら即行動。
メロスを藤岡弘、さんか照英さんに脳内変換するといいです、と又吉さんは語っています笑

事情を知った親友はメロスが迷わず帰って来ることを疑わず、無言で快諾し、メロスと抱き合います。

メロスより親友の方がずっと人間としてできてるやないですか笑

人間は葛藤する、弱い生き物

親友を身代わりに、妹の結婚式に向かったメロスは、結婚式が楽しくて帰りたくなくなったり、行きだけでも疲れたからめっちゃ眠っちゃったり。

でもなんとか出発して、気が乗らないけど絶対間に合うからゆっくり戻ろう♫と小唄を歌いながら歩いて戻ろうとするのですが、前夜の雨で洪水が起きて橋が壊れて濁流の中を泳いだり、山賊に襲われるも軽い身のこなしでかわしたり、カッコイイ一面も見せつつも、体力が消耗してしまって、この勇者メロスもここまでだ…と自己肯定感たっぷりな言い方で諦めようとするんですよね。

太宰治の生き様と走れメロス

諦めるときの自問自答、自暴自棄になる人間の心情の変化の表現の仕方が、大人になった今だから、そうなるのわかる〜という感じ。
こんなに自分の心境を掘り下げて考えることってないなぁ…。

太宰って薬物中毒になったり、いろんな人からお金借りまくったり、女の子と心中しようとして失敗して女の子だけ死んじゃったり、最終的には心中して終わったけど、なんか女たらしでだらしがない自分を棚に上げて死んじゃえば終わり、って考えている感じが女の目線としては救いようのないダメなやつって思っています。


だけど、一つのことに対して様々な複雑なことを感じちゃうって、苦しいんだろうなぁ、苦しいんだけど人に頼っちゃうし、イケメンだから女の子もほっておかないし。

イケメン太宰治

太宰も辛かったんでしょうねぇ…自分も葛藤を抱えて行きているからこそこんな文章が書けるんだと思います。
でも根底はやっぱりナルシスト、みたいな笑

又吉さんだからできる解説

こんな内容を、又吉さんの目線から、メロスの心情を皮肉たっぷりに解説するとともに、太宰ファンの又吉さんだから教えられる太宰のテクニックを解説してくれます。お笑い芸人さんならではのツッコミがまた面白い!

いかがでしたか?

表現の仕方を学び中のわたしですので、面白さが伝わらないかもしれませんが、ぜひ一度この動画を見ていただきたい!
これがきっかけになって1人でも多くの方に又吉さんの動画を見てこの面白さを共有できたら幸いです。

追記・わたしと太宰との思い出

高校生になると一度太宰治にハマって人間なんて…と退廃的な感情を抱く時期があるそうです。太宰病なんていうそうです。
わたしも高校2年生のときに何冊か太宰の作品を読みましたが、同じ心境になった記憶があります。
そして「斜陽」を読みながら眠りに落ち、金縛りにあって恐怖した思い出が、わたしと太宰との良き?思い出です。


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