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pine for=~を熱望する | 教科書に出てこないニュース英語 《タイの公共放送から》

タイの公共放送Thai Public Broadcasting Service (Thai PBS)の電子版で2024年7月13日に配信されたニュースの見出しで使われていました。 


Myanmar temple city pines for tourists as conflict rages
紛争が激しく続く中、ミャンマーにある寺院の街は観光客の回復を切望

今回は写真の松の木とは関係がありません。
pineを辞書で調べるとpine1,pine2と見出しが2つに分かれていました。

pine1
[名]
1《植物》マツ(pine tree);Uマツ材
2 ((略式))=pineapple

pine2
[動]
1 (悲しみなどで)弱る,やつれる
2 (人がいなくて)寂しく[悲しく]思う,(物・事を)懐かしく思う≪for≫
2a ((米))(…に)思いこがれる≪after≫

goo辞書


この英文では、前にMyanmar temple city、後ろにforが続いているので、pine2の2つめの意味ですが、もう一つ訳語がしっくりしません。

いくつかの英英辞典を試し、たどり着いたのがMacの「辞書」アプリに搭載されたNew Oxford American Dictionary。次のように書かれていました。

pine2
suffer a mental and physical decline, especially because of a broken heart
(pine for) miss and long for the return of 去ってしまったものを寂しく思いそれが戻ってくるのを待ち望む

ORIGIN:
Old English pīnian ‘(cause to) suffer’, of Germanic origin; related to Dutch pijnen, German peinen ‘experience pain’, also to obsolete pine ‘punishment’; ultimately based on Latin poena ‘punishment’.

New Oxford American Dictionary

「去ってしまったものを寂しく思いそれが戻ってくるのを待ち望む」なら、記事の内容にぴったりです。(概要、下記)

語源的にはpain(苦痛)と繋がりがあるようです。

・ミャンマーの寺院都市バガンでは、国内の激しい内戦が原因で観光客が遠のいているため、地元の人々は生計を立てるのに苦しんでいる。

・2011年の軍事支配緩和後、ミャンマーは、旅行者に人気があった。

・しかし、観光業界は新型コロナウイルスパンデミックによって打撃を受け、さらに2021年2月に軍が再び権力を掌握し、国中で紛争が拡大した。

・多くのホテルやレストランが閉鎖され、ガイドや売り子たちも仕事を失っている。

・ミャンマーでは2023年に外国からの観光客が100万人以上訪れたとされ、前年の約20万人から増加したと報じられているが、バガンではAFPの記者が外国人観光客を見かけることはなかった。

Thai PBS

バガンにある古代仏教寺院の例

© Vyacheslav Argenberg / http://www.vascoplanet.com/


武力を伴う抑圧と紛争の影響ーミャンマーの観光地の状況について日本の新聞やニュースで取り上げられているのを見たことがありませんでしたが、東に接する隣国タイでは大きく報道されていました。


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