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oversubscribed=応募超過状態 | 教科書に出てこないニュース英語 《シンガポールの小学校》

シンガポールを拠点とするウェブニュース Channel News Asia(CNA)で、2024年8月7日に配信された記事の見出しで使われていました。

Primary 1 registration 2024: Almost half of all schools oversubscribed in Phase 2C
2024年の小学校1年生登録:Phase 2Cでほぼ半数の学校が定員超過

 下記ページ

最近よく耳にするサブスクは、subscriptionの略です。
この語の動詞形がsubscribe、
これにover-がついて受け身の形になったのが
今回の語、oversubscribedです。

◾️'subscribe'を辞書で引くと

元になったsubscribeを辞書ではどう説明しているでしょうか。

subscribe [səbskráib] 大学入試レベル
[動]
1
((主に英))
〈金額を〉寄付する(◆通例定期的に),出資する;応募する;〈株を〉(記名して)引き受ける;書店が〉〈冊数を〉(出版前に)引き受ける
1a((主に英))
(契約書に署名して)寄付[出資]を約束する,寄付[出資]する;応募する
2((形式))
〈契約・遺言状などに〉署名して同意[証明]する;賛成[支持]する;〈名前などを〉(書類の下[終わり]に)書く,刻む
2a
(手紙・書類などに)署名[記入]する;〔疑問文・否定文で〕((形式))(意見などに)(署名して)同意[賛成]する;同意[承諾,認可]する
3(新聞・雑誌などを)(前払いで)予約購読する≪to,for≫
4《インターネット》(オンラインサービスを)購読する

goo辞書

記事本文を見ると「空き枠○人に対して××」という情報が出てくるので、1aに出てくる「応募する」が、今回の意味です。
over-がついているので、学校が「過度に」応募されている、ということです。

「過度に」という意味でover-が前につけられている語は他にも…
over-excited 舞い上がっている
over-optimistic 楽観的すぎる
overreact 動詞で 過剰反応する
overbook 定員以上の予約を取る
overdose 薬の過剰摂取
…などたくさんあります。

「自動車のサブスク」や「高級バックのサブスク」は、4の意味が広げられた使い方と考えたらいいでしょうか。
また、
寄付するという意味や、書類に署名して賛意を表すという意味もあることがわかりました。

sub-は「下」、scribeは「書く」という意味の語なので、「書かれたものの最後に署名して同意を表す」という意味がスタートになっているように思われます。


◾️シンガポールで希望する小学校に子供を入学させるのは大変そう!

記事の内容を要約すると、

・2024年の小学校1年生登録において、Phase 2Cでほぼ半数の小学校が定員を超えたと、教育省(MOE)が最新のデータを8月7日(水)に発表した。

・180の小学校のうち、88校が定員超過となり、抽選が行われる。

・Phase 2Cは最も競争が激しいフェーズとされ、すべての子供たちに開放されている。各小学校には、Phase 2C用に40人の枠が確保されており、これにより「すべての小学校へのアクセスが維持されるように」している。

・昨年は85校が定員超過となっていた。微増。

・今年最も定員超過が多かった小学校は、ブキットバトックのプリンセス・エリザベス小学校で、41の枠に対して270人の応募があった。

・このフェーズの登録は、7月30日午前9時に始まり、8月1日午後4時30分に終了した。

抽選
・応募者数が空き枠を超える場合、抽選が行われる。これはPhase 2AからPhase 2Cまでのいずれのフェーズでも行われることがある。

・2022年から、Phase 2Cには40人の枠が確保されるようになった。それ以前は20人だった。住んでいる近くの学校により多くの子供たちがアクセスできるようにするための変更であると教育省は説明している。

・次のフェーズ、2C補足は、まだ小学校に登録されていない子供たちのためのもの。このフェーズの空き枠は8月13日に更新される予定。

以下が、シンガポールの小学校入学プロセスにおける各フェーズの説明です。(シンガポール教育省のサイトから;2024年8月8日閲覧)

Phase 1:
- 現在、その小学校に通っている兄弟姉妹がいる子供。
Phase 2A:
- 親または兄弟姉妹がその小学校の卒業生である子供(卒業生会の会員を含む)。
- 親がその小学校の学校諮問委員会または管理委員会のメンバーである子供。
- 親がその小学校のスタッフである子供。
- 小学校に併設された教育省の幼稚園に通っている子供。
Phase 2B:
- 親がP1登録の前年の7月1日までにその小学校の保護者ボランティアとして登録し、P1登録の年の6月30日までに少なくとも40時間のボランティアサービスを提供した子供。
- 親がその小学校と直接関係のある教会や団体に推薦されている子供。
- 親がアクティブなコミュニティリーダーとして推薦されている子供。
Phase 2C:
- 現在、小学校に登録されていない子供。
Phase 2C補足:
- Phase 2C後にまだ小学校に登録されていない子供。

https://www.moe.gov.sg/primary/p1-registration/registration-phases-key-dates?pt=2C%20Supplementary

   *****

記事には、学校ごとの空き枠と応募数の表が掲載されています。

小学校入学に関して、優先順位が詳細に決められていること、学校による「競争率」に差があること、データがオープンになっていることに驚きます。

記事本文の、
「Phase 2Cは最も競争が激しいフェーズとされ、すべての子供たちに開放されている。各小学校には、Phase 2C用に40人の枠が確保されており、教育省はこれにより『すべての小学校へのアクセスが維持されるように』している」
…との表現からすると、

学校とのつながりの強さで入学が決まる人の割合を下げようとするのが現在の政策の方向のようです。つまり、機会の平等化を進める方向です。

教育国としてよく名前が上がるシンガポール。
教育の先進性だけでなく、競争の熾烈さを垣間見た記事でした。

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