電飾なんてなんの意味もない

休日だから世間の皆んなに合わせて出かけている。近所の電飾貼り付け樹木道「あおじろ」だ。前にも来たことがある。そもそもここは近所ではない。近所ではなくちょっと近所の樹木貼り付け青白道だ。皆んな歩いている。子供は水で遊んでいる。僕らは、僕らは霊と共にある。僕は霊になってここにいる人たちを見守る。それしか関わる方法はない。僕は霊ではない。ただ霊になりたい。それでしか救われない。男の子が白いクレベースに走って登ってきた。女の子だった。帽子を被ったいつかの僕。女の子だった。僕らは少年たち。でも僕は女の子だった。男の子が珍しい環境だった。だから僕は妹に慕われていた。妹は知らない子だから。知らない子は僕だから。僕は霊じゃない。僕は宇宙人だ。僕は泣いている。めちゃくちゃ危ない道付近で男の子が泣いているという報道が入りました。とさ。シュシュの曲。古い友達が嘘をついています。だってさ。シュシュはいいね。綺麗だ。透き通るピアノよ。ほっほっほ。女の子がまた駆け上がってきた。僕の昔の姿だ。違う僕は男の子だ。違う僕は宇宙人だ。エイリアンだ。疎外者だ。クラスにも家にも学校にも居場所はない。安全なのはロフトだけ。違う友達もいた。遊ぶだけの友達。だから僕はロフトにこもって人形劇をしていた。ぬいぐるみなら喋れるから。ぬいぐるみだ。どこを見てもぬいぐるみしか歩いていない。僕は霊だ。違う宇宙人だ。僕は誰だ。俺は神聖かまってちゃんののこさんだ。らしい。僕はのこさんになってしまった。違う僕は宇宙人だ。白いケーキの塊に腰掛けた宇宙人だ。白人たちを食べるためにソラからやってきたのさ。違う僕は霊になりたいんだ。霊体として機能するだけの霊になりたいんだ。僕はやめよう。もう暗くなる。僕の行く場所はこのあとは苔まみれだ。苔だらけの宇宙船に戻るのさ。あばよ。

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