夢11/17

言うことは時にないです。そう言って僕は彼女にソーだアイスクリームを渡した。溶けてしまった小さなアイスクリーム。僕が失踪して、ゆうたが探していた。誰も僕の見る夢を知らない。誰も夢を共有しない。だから寂しくなったのさ。アイスを作る遊びにも飽きてしまった。最初は細長かったアイスも渡す時には手のひらに収まるほどの小さなかけらに成り果てていた。ジェットコースターのレールの上を歩きながら彼らの元へ向かった。「不眠症」という表記を遠くからコンパクトカメラでシャッターを切った。それが面白くて、僕が彼女に渡す時にはもうそれまでの迷いとか誰もわかってくれない寂しさとか消え去っていた。でもしばらく皆んなの元から去って、近くの幼児たちの体操コースに座って身を隠していたのが恥ずかしくて、アイスは地面を俯きながら恥ずかしがって渡した。それが夏。しっかりとした友達が持てて僕は幸せだ。夢の中のゆうたよ、中学生の時はごめんよ。僕は多くの人にいじめられたばかりに我を失ってしまった。強い憎悪と共に、そして戯けたピエロのように過ごしていたのさ。

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