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早く夢から醒めたい。そう願いながらも夢と変わらない世界を生きている。目が覚めようが、眠っていようがそこは夢だ。どこにも逃げ場はない。ここはどこまでもぼんやりとしている。夢の中では大して何も驚くようなことが起こらない。倦怠感や空虚感に満ちている。人々は夢を構成する背景にすぎない。僕が関われば彼らも自動で応答してくれる。全てが自動だ。この話し声もBGMも天気の移り変わりも店員たちの対応も全てがマニュアル化された自動対応のものだ。夢で何が起ころうと僕は大して気にも留めない。これは夢なのだから驚くことが何もない。地震が起きようが火災が起きようが、鋭い現実感を求めたところで何も感じない。ジェットコースターに乗って現実感を味わおうとしたことがある。でも満月が綺麗だっただけでなんの反応も無かった。夢から逃れることはできないのだと、また少し落ち込んだ。
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