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ソウルイーター二次創作

鎌職人モカ・アルバーンはその日の朝に前日に観たテレビアニメのヒロインの真似をして宙に透明なバリアを張っては待ち合わせ場所を周回するという奇行に走っていた。それもそのはず、小学校に着くなり毎朝の暴力ルーティーンが始まるのを案じていたためだ。バリアは両手を大きく広げて額の先50センチほどの部分から展開する。透明なので当然だが目には見えない。しかし鎌職人モカ・アルバーンの霊視能力によって彼女は周りの者たちには決して見えないバリアを目撃していた。その魂から発せられる波は「退魔の波長」。悪しき感情や憎しみに恨み、その他の狂気の力を鎮める特別な波長だ。モカ・アルバーンは清き魂の波長を生まれつき持っている。父親は魔武器デスサイズの大鎌、母親は三つ星の鎌職人ミカ・アルバーンだ。彼女は失踪中で人生の大半をモカは父親のもので育てられた。そんなモカには毎朝のルーティーンが待たされている。教室に通じる廊下を歩いていると前方からやってくる少年がいる。その少年こそは不良のブラック。孤児院で暮らす問題児だ。ブラックはモカを発見するなり走り出す。モカは身を屈め体を守る体制に入る。ブラックは勢いよく彼女の腹を殴る殴る殴る。モカは必死で抵抗し何とか痛みから遠ざかる。これが彼女の毎朝のルーティンだ。ブラックは悪ふざけのつもりでモカを痛めつける。日頃のストレスの発散場所として。モカはひたすらに彼を恨む。「殺してやる…。」。しかしブラックにはどうあっても歯が立たない。未だ魔武器のパートナーも決まっていないモカにとっては小学校は迫害を受ける場所だ。力量面でも彼には到底敵うことなく毎回のように敗北して廊下の壁を支えにしながら教室へと登校する。「殺してやるからな…!」。モカは復讐を誓った。

これは鎌職人モカ・アルバーンの過ごす職人専修高等学校初等部での奇妙で孤独な日常を描いた「ソウルイーター」二次創作である。

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