椅子

椅子を新しく買った。一万七千円くらいする、緑色のカバーの大きなリクライニングチェア。アンティーク調の雰囲気が机と似合っている。椅子を変えたのは五年ぶりだ。あの頃はまだ蚤の市や骨董市に出かけては美術品や蛾の標本を買っていた。レトロな家具が好きで、デスクランプやシーリングライトも味わいのあるものを選んだ。本棚も祖父から譲り受けたものを使っており、僕の部屋は古いもので溢れかえっている。(というほどのものでもないけれど)。五年前と違って猫はいないし鼠もいない、魚も何も飼っていない。少し寂しくなった気がする。食事を鼠と同じサラダにすることもないし、イエアメガエルにコオロギを与えることもない。ガラスの水槽にドジョウを飼うのもやめたし、昔と違って動物とは無縁だ。庭は荒れ放題で、クッキーの缶にはアオちゃんというロボロフスキー鼠が眠っている。植木鉢にはソフィ、シェリー、クロエ、トマシンという小人たちが眠っており、庭の土にはミミが埋まっている。段ボールに手紙や装飾品を入れて、ドライフラワーを飾った。祖父母と共に猫を火葬するのが嫌で死後一日目に庭に穴を掘って埋めた。今では少し後悔していて、ちゃんと火葬して手元に骨を残したかったと思う。いずれにせよ死んだ猫は元に戻らない。家を売ってしまうとしたらその前に掘り起こして火葬することになると思う。今日の日記はここまで。文章を書く習慣をつけようと思って書いてみた。二年前のように歯切れのいい文章を書くのは難しそうだけれど、習慣として続けたい。また本にできたら嬉しいし、今度はイラストもつくかも知れない。今から楽しみだ。はい、ここまで。さようなら。

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