復讐

祖母を殺す、この手で。必ず殺害する。全ての元凶…。
そう決心した私は老人ホームへ向かった。老人ホームは田舎の少し坂を登ったところにある。
難なく部屋に通された私は祖母の普段から使う枕を掴み取った。顔に当てる。空気が通らないように。祖母はもがき苦しむ。呼吸がうまくできていない。私は憎しみの限りを尽くして祖母の顔に枕を当て続けた。数分続いたと思う。祖母の動きは止まった。私は真昼の老人ホームで祖母を殺害することに成功した。憎しみが恨みが、全ての元凶となった人物を殺害した。この手で。私はもう後悔などしてなかった。子供の頃からずっと頃したかった祖母を、この手で!私は泣いた。抑圧されていた祖母への殺意がいま目に見える形として表に現れた。
「やっと、ころせた……。」
私は泣き続けた。そしてほのかに笑みを浮かべていた。祖母を殺害した。その日私は初めて願いを叶えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?