カウンセリング

「僕は今すぐ死ななければならない。暴力を受けた過去がそうさせる。集団暴力を受けたけれどもう助からないからあとは自殺するだけだ。」
「死ぬのはまだ早いわ。」
「ん?あなたは?」
「私は鼠の飼育委員の暁美由無(ゆうむ)よ。最近あなたが飼い始めた白鼠のトマシンと黒鼠のハーパーからの要望であなたのカウンセラーを担当することになったの。カウンセリングは毎週月曜日の朝9時から15分。私の力であなたの心を解剖して差し上げるわ。」
「それはありがたい。僕の救われないこの惨めな人生に微かながらもいい変化の兆しが見え始めるのだとしたら、暁美由無、あなたをカウンセラーとして慕うことにする。これからよろしくね。」
「私は何度も迷える赤ずきんちゃん達を回復のプロセスへ持っていってあげてきた。今回あなたに行う治療もきっとあなたを救ってくれるわ。楽しみにしていてね。」
「やったー。」
こうして離人症を患う青年、円倉ゆまは毎週月曜日に魔法少女、暁美由無による心理療法を受けることになったのである。

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