見出し画像

#54 センターピンを抑えろ

2024年6月5日、Podcast番組「Oh my week」第54回を配信しました。
今回は、「センターピンを抑えろ」についてお話ししました。
↓AIによる文字起こしは下にあります

西野誠 / にしのまこと
株式会社Oh my teeth 代表取締役CEO 1994年生まれ。学生時代に物流スタートアップ「オープンロジ」にて創業期を経験。新卒でワークスアプリケーションズに入社し、大規模基幹システムの開発業務に従事。2019年10月、株式会社Oh my teethを共同創業。Onlab21st優勝。ICC D2Cカタパルト2022優勝。ICC DXカタパルト2024優勝。Forbes NEXT100 2024選出。

Nishino:おはようございます!Oh my teeth代表のNishinoです。

Akari:Akariです!Oh my weekは1週間で見つけた「Oh!」な出来事・トピックを緩く掘り下げビジネスや日常のヒントを探っていく番組です。はい、水曜日おはようございます。前回の続きで、ワークスアプリケーションズの創業者の牧野さんに会われたことで、前回は優先順位をつけるかつ忍耐が大事だ、優先順位を組織全体に浸透させるには忍耐だ、もう一つあるというお話だったと思うんですけど。

Nishino:それがまさに「センターピンを決めて、それを徹底的に守り続けるのが仕事なんだ。そこからずらすから結局失敗するんだ」とお話をされていて。特に「Oh my teethはそれが見えてる」と言ってくださっていて、嬉しかったのは牧野さんがニュースリリースとか見てくださったのか、「Oh my teethの即日矯正とか、人事的なアプローチとかがすごい、ユーザー体験にコミットしてるのはユニークだし、そこがセンターピンだと思ったのは、なるほどな」みたいな話をしてくださったんですね。だからかみたいなところは納得してくださって、「だったらそこを徹底的に逃げずに、人を張ってでも、守り続ける、他のところよりも圧倒的に人を張るとか、その体験に対して、まだまだやった方がいいよ」ってアドバイスをいただきました。

Akari:センターピンっていうのは、会社でいう強みとか特徴みたいなところの話ですか?

Nishino:そうです。5回ぐらい前にAmazonのプリンシパルズが好きで影響を受けている話をしたんですが、まさにAmazonの例を出してくださったのがすごい嬉しくて、即日矯正とかで、これいい例思いついたみたいなと。(Oh my teeth COO)大地さんも入社時にずっと「Oh my teethはAmazonなんだ、だから長期的にブランドになるし、勝てるし、強いんだ」みたいな話をしてくださったんですよ。牧野さんも同じことを言ってて、「Amazonと楽天の違いは、Amazonには信頼感がある。次の日に届けるとか、翌日を届けるとか、当日を届けるとか、あそこに安心感があるだろう」みたいな。実は楽天も即日配送っていうプランがあるんですよ。当日お急ぎみたいなのがあるんですけど、あれ信用したことないだろうみたいなのを言ってて。

Akari:イメージもないですね。楽天=即日配送みたいな。

NIshino:そう、でもあるんですよサービスとして。これは何が大事かと言うと、「そういうふうに世の中に謳っているところはあるけれども、それと実際にやり続けて、信頼感を持っているのは全然違うんだ」ということを言ってて。いかに難しいかってところだし、楽天を使う人もいるじゃないですか、だからつまり売上が下がってるわけでもない。だからそれをセンターピンだと信じてるかどうかで、楽天は信じてないだけなんです。信じないのがいいかと言うよりは、そこ以外だと思ってる。例えば商品の品揃えとか。

Akari:どこに重点を置くかみたいなところ。

Nishino:そうそう。でも急ぎで買うんだったらAmazonだったりとか、人はイメージするわけですね。コンビニとかもそうだと思うんですよ。やっぱ24時間常に空いてるから行くわけじゃないですか。これが2,3日に1回は休んでますとかだったら、いざというときのコンビニっていう価値観もなくなっていく。なのでそこをやっぱり守り続けることが大事。「ワークスアプリケーションズの時は何だったんですか?」と聞いたら、「ノーカスタマイズ。カスタマイズ不要ということによりこだわらないといけない。センターピンは難しくなきゃ意味ない」と話をしてたんですよ。逆説的ですけど、簡単ってことは他もできる。「一見、SaaSとか大企業のシステムをカスタマイズしない。ワンパッケージというか設定だけであらゆる業務が行えるっていうのは普通に考えられないからこそ、それこそがセンターピンだと信じて、そこがユニークになり選ばれる競合優勢になる。だからワークスアプリケーションズはそこに人をめちゃくちゃ張っていて、そこを絶対妥協するなとずっと言い続けてた」と話をしてて。だからOh my teethも即日矯正はずっと変えるなみたいな。「ユーザー体験にこだわってるんだったらそこにはもっと投資すべきだし、人も張るべきだ」ということを言ってました。
一見それが正解じゃないパターンがあるからそれはいい。ユーザー体験中心じゃなくても他の歯医者さんで儲かってるところも多い。だけどそこが一個の色なんだったらそこを信じる。当たり前のことを言ってるって牧野さんも言ってくださってましたけど、それをやっぱりやりきれるかやらないかでは違う。楽天だってそういうコンセプトを出してるけど、やりきれていないから結局顧客からも、そういう意味では信じられてないよねと。いろんなものがあるとか、なんとなく安そうとか、そういうブランドは取れてるかもしれないけど、顧客体験がめっちゃいいよね、ストレスフリーだよねっていうのはAmazonだよね。

Akari:なんかこれって戻ってきますね、また優先順位みたいなところに。

Nishino:そうそう。まさになのでこれ最後に持ってきた。なぜ開発論があるかっていう話に戻ってくると、そのワークスアプリケーションズでいうとノーカスタマイズと言ってもいろんな要素がある。だからそこをしっかり定義して、これが一番優先なんだ、逆にこれはやっちゃダメなんだ、これはやらないんだよってことを定義してるのが開発論。だからセンターピンが優先順位なんだけど。

Akari:センターピンがあってかつその下にどんどんいろいろ優先順位で。

Nishino:そう、センターピン、ユーザー体験と言っても解釈がいろいろある。ユーザー体験のリストで100個とかの体験がある。となるとユーザー体験だって言ってもいろんな解釈は人それぞれある。つまり、「結局リソースが分散してよくわからないものになってしまうから、その中でもしっかりこれはやる、これはやらないみたいに、納期に関しては絶対に重要だからこれはもう意識しましょうとか、コストに関しては絶対この33万は守りましょうとか、品質に関してはこういうクオリティを守りましょうみたいに。優先順位をつけて、逆にここまでは求めないみたいな、ここから先のクオリティや症例はうちでは救わないとか。エリアも全国展開はしていきますけど、極端に全都道府県にあるみたいな世界は目指さないみたいな。」

Akari:センターピンは会社の規模が大きくなるにつれて変わるものなのか、いやそれはもう絶対変わらない普遍のものなのかというとどちらなんですか?

Nishino:変わらないと思います。Amazonもそこは変わらず、世界一ユーザー中心のサービスであり続けるみたいな、っていうのは多分創業からずっと変わってない。だけど、即日配送とかは優先順位だから。牧野さんが言っていたのは「時代の流れによってそれを変えていかないと、それは時代遅れになる。コンセプト、上流にあるこういう世界を作りたいみたいなものは変わらないよね」と。

Akari:なるほど。

Nishino:採用担当のワークスアプリケーションズの先輩と話たら、全社集会で「なぜ創業したのか」みたいな話を今でもずっと熱く話してるって言ってました。それは説明不可欠ですよね、なんで創業したのかっていうのはもう、そう思ったからでしかないから、センターピンがなぜそうなのかっていうのは、答えがないものだったりする。だから楽天の正解も正解だし、Amazonの正解も正解だから。そこを伝えないと、会社のDNAがおかしくなっちゃうから、こうだから優先順位はこうですよ。優先順位はもう論理的に考えてもいいし、市場によって周りが競合がこうだから、うちはこう優先順位でいくとかは決めれるけど、その大きい傘があるピラミッドの頂点の部分は、正解がなかったりするものだったりするから、そこは熱く語る必要があるという話だと思います。

Akari:なるほど。これはめちゃくちゃ腹落ちする話だけど、ちゃんとわかってないと、それこそまた目から鱗ってなってしまいそうな話でもあるって思いました。私は組織に属しているタイプの人間なので、逆に「会社のセンターピンは何なのか理解してますか?」って聞かれたら、結構ギクってなる気がしていて、そこをまずはちゃんと抑え、創業者の話を聞いたり、会社の歴史を見たりして抑え、そこでまた優先順位を自分で見極めていくっていうところは、丁寧にやっていかないとなって思いました。
ということで、今回もお聞きいただきありがとうございました。Oh my weekは毎朝8時に配信しております。ぜひぜひYouTubeチャンネル登録してお聞きいただけると嬉しいです。ちょうど100人を突破いたしまして、ありがとうございます。次は200人を目指して頑張りますので、ぜひぜひまだの方は登録していただけると嬉しいです!

Nishino・Akari:本日もお聞きいただきありがとうございました!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?