愛は広さより深さ。

 2024年6月10日をもってつばきファクトリーオリジナルメンバーの新沼希空ちゃんが、グループを卒業しました。
 私は仕事の都合でライブを見ることは叶いませんでしたが、OGを含むつばきファクトリーの全メンバーと、多くのファンに見送られて、きそちゃんは次のステージへと旅立って行きました。

メンバーが来場を呼びかける異例の事態

 ハロプロの卒業公演では、いわゆる”落選祭り”が珍しくなく、ファンクラブ先行や二次受付でもチケットが手に入らず、一般発売に運命を賭けるヲタクのツイートをよく見かけますし、卒業公演は卒業するメンバーのをヲタクを優先するべきだという論調が上がるほど、卒業公演のチケットはプレミアムなものとなっています。
 しかし、今回は当初の売れ行きが芳しくなく、SNS等を通じてメンバーが来場を呼びかける状況でした。そして、その様子に反応したつばきヲタもSNSを通じて他のハロヲタに来場を呼びかける事態にまで発展します。最終的は完売とはならなかったものの、当日券も含めて多くのヲタクがきそちゃんのために武道館に足を運びました。

来場呼びかけを通じて感じた愛の深さ。

 つばきファクトリーは正直、一般的な知名度はあまり高いとは言えないグループです。さらに、そのイチメンバーとなれば、グループよりも一般への知名度が下がってしまうのが現実です。今回の武道館公演では、チケットの売れ行きという点で、その現実が如実に露呈した訳ですが、最後につばきファクトリーを、そしてきそちゃんをハッピーへと導いたのはつばきときそちゃんを愛するメンバーやヲタクの深い愛のパワーでした。
 きそちゃんの最後のステージのために多忙なスケジュールを調整し集結したオリジナルメンバーたち。OG、現役含め全メンバーが一同に集いパフォーマンスをするのは希有な出来事であり、調整を進めたスタッフの方々も含めて、この公演を最高のものにしたいという熱意がわかる象徴的なエピソードかと思います。
 そして、ヲタクたちもSNSで積極的に発信し、メンバーの投稿のシェアはもちろん、動画を作成したり、アツイ投稿で来場を呼びかけ、特に公演直前はつばきの話題で私のTwitterのタイムラインは埋め尽くされていました。
 そして公演後には、つばきファクトリーときそちゃんへの深い愛、そして呼びかけに応じて参戦した来場者への感謝で、タイムラインが溢れかえっていました。
 新沼希空というアイドルは、日本中に広く知られた国民的アイドルではありませんでした。しかし、彼女を知って応援してきたヲタクにとって彼女は唯一無二の存在であり、彼女のキャラクターによって多くのヲタクがその深い深い希空の”沼”へと誘われ、そこで幸せなヲタ活を行ってきたのです。

大衆受けよりを”あなたに届く”活動を

 昨今、SNSの発達で誰もが気軽に発信し、自分自身をPR出来る時代となりました。また企業においても、まちの中小企業が突然バスリ、一躍話題となることも珍しくなくなりました。多くの人に知ってもらうことは、個人や組織の価値を高めていくためには、必要不可欠なことです。しかし、広く知られることを重視するあまり、今応援していくれている目の前のファンを忘れてしまっては、基盤が大きく揺らいでしまいます。
 大衆受けするということは、標準化されるということであり、それだけ真似されやすくなりライバルが増えますし、また消費されやすくなり、結果的に激しい競争に晒されることとなります。一方、少なくても深く愛してくれるファンがいれば、活動範囲は広がらなくとも安定して活動を行うことが出来、お互いに顔の見える大切にあえる関係を維持することが出来ます。
 深く深く愛されたきそちゃんのアイドル人生は、この卒業公演をもって終わりを迎えましたが、それと同時に彼女の第二の人生がスタートしました。卒業と同時に芸能活動からも引退するため、一般のを炊くが彼女に会う可能性はほとんどありませんが、彼女を知るハロヲタ達はたとえ姿を見ることが出来なくても、心の中で応援し続けていくことでしょう。きそちゃんが幸せでいることが、ヲタクの幸せなのです。
 きそちゃん、卒業おめでとうございます!!

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