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daiichienomoto
手紙【ショートショート王様】(毎週ショートショートnote)
わたしの前に古びて黄色くなってしまった手紙がある。
墨で書かれた文字は薄くなっている。
意味はわからないが、その文字がただただとても美しいこと、そして何かとても強い思いを発していることはわかる。
ドアがノックされ、この文を訳したものが渡される。
父上様、母上様
17年間、短い短い人生ではありましたが、わたくしは幸せでございました。
家族の皆の為、この国の繁栄と勝利の為、精一杯戦って参ります。
どうかおふたりとも、お身体をご自愛くださいませ。
ショートショートライフ。
誇り高き王のような少年がかつて神の国とよばれたここから旅立ち、無数も散っていったのだ。
彼らは自らを兵器として、最短の距離と角度で我が艦隊にみじんのためらいもなく来た。
平和と呼ばれている現在では彼らは忘れ去られている。
神の国の子のDNAはいつ目覚めるかもしれない。
ショートショート王。
短命の王を起こしてはならない。
わたしはこの手紙を永遠に封じることにした。
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