敢えて批判承知で書きます。

はじめに

先日、取材旅行で名古屋と兵庫に行ってきました。
モハ63638と、クハ26001への面会のためです。
往路は18きっぷでしたが、復路は南海バスの「サザンクロス」で帰宅しました。

関西→横浜ならば、東武系列の東北急行バス、近鉄バスの共同運行の「フライングライナー」(格安便の「フライングスニーカー」も有)もありますし、
王道のJRバスが運行する「青春ドリーム横浜」、「グランドリーム横浜」(両者は現在運休中)もあります。
当然、お値段は張りますし、私も社会人になってみて「やっぱ高いよなぁ。嫌な顔せず昔、遠征費用を出してくれた親には感謝せんとなぁ…。」と感じる時はありました。

ただ、3列独立シートでありながら、JRや私鉄系列のバスの4列シート格安便(要するに観光バスにトイレ付けた感じだと思って下さればOKです)とほぼ同じかそれ以下の値段で走っていたバスの存在をご存じでしょうか。

それこそ「高速ツアーバス」です。


「高速ツアーバス」と「高速路線バス」の違い

このnoteを見ている方の中には「どっちも似たようなものだろ?」と言われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、両者は似て非なるものです。

では、加越能バスという会社のページから引用した、両者の違いを見てみましょう。↓が引用元です。

①高速乗合バス
路線バスの一種。道路運送法に基づき路線バス会社が企画・販売・運行します。
契約の相手方である路線バス会社がバス運行の安全確保に責任を負います。

②高速ツアーバス
旅行商品の一種。旅行業法に基づき旅行会社が企画・実施し、貸切バス会社が運行します。
利用者の契約の相手方である旅行会社は、バス会社ではないのでバス運行の安全確保に直接の責任を負いません。 また、乗車場所にバス停留所標識は通常は設置されていません。

要するに何が言いたいかというと、「高速乗合バス」は、私の例で見てみると、「私と南海バスが『直接』契約をし、南海バスが『私を始めとする乗客の安全確保に責任を負う』というわけです。
一方「高速ツアーバス」は、旅行会社(JTB、HIS、日本旅行など)が企画し、運行するのは「貸切バス会社」(よく皆さんの街にも「〇〇観光バス」とかが走っていますよね、まさにそれです)なのです。
この場合は、「乗客と旅行会社が契約をし、運行するのは貸切バス会社」です。

ただ、これには問題があり、
・事故が起きたときに責任の所在があいまいになるという問題がある
(要するに旅行会社はバス運行の安全確保に直接責任を負わないため)
・バス停が設置できない(あくまで「旅行」扱いだから)ために違法駐車が蔓延
・下請けいじめ等が起きる(所謂ダンピングです)

といった問題があり、問題視されていました。

そして、2012年の関越道バス事故を機に、「高速ツアーバス」は「新高速乗合バス」として一本化されます。
この際、貸切バス会社が系列の路線バス会社を開設してそこでバスを運行するケースも見られるようになりました。

しかし、

・コミュニケーション不足による置き去り事件(これは調べてみたところ、挨拶がなかったのはまずいなと言う印象ですが、代車をすぐに出せる環境になかったので仕方がなかったのかなと感じています)
・バス停がわかりにくい

など、依然としてトラブルが頻発している印象です。

もし夜行バスを使うなら、結局どこがいいのか。


私はもし、このような質問をされたらこう答えます。

「絶対に事故を起こさないという保証はないけど、JRバスや電鉄系、地域資本会社の方が『安心』ではあるよ」と。

Twitterでも頻繁に「老舗だから安心できる」と言ってるだけに「じゃあツアーバスからの移行組も厳しい法律の下で管理されてるのに安心じゃないのか」と言われそうです。

確かにそう思われても仕方がないかもしれません。
でも、誤解がないように言っておくと、「老舗でも事故は起こす可能性はあるのは某宮城の会社の例を見て知っている。だけど、その『補償窓口のわかりやすさ』が老舗にはある」と思っています。

なぜ、「JRバス」「電鉄系バス」「地域資本系バス」をここまで信用しているか。


中国JRバス(JR西日本系列)運行「スサノオ号」
小田急ハイウェイバス運行「ニューブリーズ号」(中国JRバスと共同運行)
南海バス運行「サザンクロス号」(和歌山バスと共同運行)
越後交通運行「長岡・三条-京都・大阪線」(南海バスと共同運行)

これらのバスは「JRバス」「電鉄系バス」「地域資本系バス」が運行する夜行バスです。
バス停もわかりやすく、「駅前」とあれば本当に駅前です(どうしても「移行組」は離れてしまうこともあるそうです)。
JRや電鉄系のバスは「鉄道会社がバック=知名度が高い」というのは言うまでもないですが、「地域資本系のバス」がなぜ安心できるのか。

一言でいうなら「その地域でずっとバスを走らせ、地域の足を守ってきたから」です。
最近では地域資本系バスも、大手私鉄の資本が入っていたりして、電鉄系との境界線があいまいになりつつありますが…。

ある日、祖母の住む山口に夜行バスで帰る時「バス会社はどこかね?」と聞かれて「ああ、防長バス(山口県の老舗路線バス会社、近鉄グループ)だよ」と回答したら「防長さんじゃったら安心じゃね。山口県のバスの中では大きな会社じゃから。」と言われたのを覚えています。
確かに、防長バスはローカルバスです。
ですが、「山口県で80年以上信頼を築き上げてきた」ということが、「夜行バスでも安心じゃね」とすぐに祖母が言った理由だと思います。

おわりに


夜行バスは確かに昨今の事故などであまりいいイメージを持たれていないかもしれません。
ですが、これだけは言わせてください。

「3列独立シートで、電鉄系・JR系のバスを早割とかを駆使して乗ってみてください。案外快適ですよ。結局は工夫次第です。」

ネットから予約して、コンビニ決済でも意外と割引とかあるので、ぜひ夜行バスを使ってみてください。

また、私は決して老舗高速バスの回し者ではなく、所謂新免参入の会社を批判する意図はありません。
どちらもメリット・デメリットがあるのは重々承知しております。

それでは、よい旅を!Have a nice Trip!!

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