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私の青春時代は昭和の後半。まだカセットテープで、エアチェック(死語)にいそしんでいた頃、今でいう「ガラケーからスマホへ」ぐらいのカルチャーショックだったのが、「CD」だった。

当時私はダブルカセットのステレオを持っていたが、音楽よりも、ラジオを聴くことが好きで、毎週月曜日夜10時になると、ステレオの前に正座し、スピーカーから流れてくる「MBS ヤ~ングタウン!」というさんまちゃんのがなりとトークをカセットテープに録音し、次の週まで毎日繰り返し聞いていたような学生だった。

音楽はそれなりに聴いていたが、コンサートにも行ったことがなくて、「ザ・ベストテン」や「トップテン」「夜ヒット(夜のヒットスタジオ)」などが私の音楽のリソースだった。特によく聞いていたのは、サザン(サザンオールスターズ)。「ザ・ベストテン」のスポットライトのコーナーで、きったないTシャツ姿で出てきたのが強烈な印象で、そのままファンになってしまった。

私が初めてCDを買ったのも、当然サザンで、と言いたいところだが、実は違う。桑田さんつながりではあるが、「KUWATABAND」という桑田さんがサザン休業中に、自分の好きなロックをやってみたい、という事で期間限定で活動したロックバンドだった。KUWATABAND 最初のアルバムはLP版で購入したのだが、記憶が定かではないが、ライブ盤のアルバムは、LPじゃなくて、CD限定発売だったような(?)。で、成り行きでCDを購入したんだけど、

実は、私、CDプレーヤーをまだ持ってなかったんです。

なので、アルバムは買ったものの、中身はまだ聞けないまま。それをクラスの男子に話すと、「あほか。買え(プレーヤーを)」と一言で切り捨てられ、お年玉をためて、店頭処分品のCDプレーヤーを3万円ほどで購入したのだ。アルバムを買ってから数か月。やっと聞くことができる!

ステレオにCDプレーヤーをつなぎ、「KUWATABAND ROCK CONCERT」のCDをトレイに入れて、スタートボタンを押し、じっとスピーカーを見つめる。会場の声援がだんだん大きくなり、イントロが始まった瞬間、のけぞった。

おおぉ~!なにこれ?!CDって、音がめっちゃ綺麗!!

いまさら何を、と思うかもしれないが、当時、アナログのLPで慣れていた耳には、このデジタルのCDのクリアなサウンドと、まるでライブ会場に自分もいるかのような臨場感、迫力が、薄っぺらい虹色に輝く皿の中に詰まっているとはとても信じられなかった。衝撃的な体験だった。

世の中って凄いよな~、科学の進歩って凄いよな~とか、ただ音の迫力と素晴らしさに感動しっぱなしのCD初体験。ちなみに、LPを初めて買ったのは、イモ欽トリオのPOTATO BOY'S NO.1だった。

イモ欽トリオ

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終活って、ひとりでやろうとすると、途中で挫折したりします。趣味:終活って言ってる終活プロデューサー(終活P)の私を頼ってください!多分お役に立てると思います。