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伊予手漉和紙振興会、令和に再び活気の兆し訪れる!(四国中央市/愛媛県)

2022年4月、手漉き和紙のイベントがしたい!そんな想いで地域おこし協力隊に着任し、彼と出会いました。

四国中央市では言わずとしれた有名人、多羅富來和紙の大西満王さん。彼とのイベントが7月に終了し、「次はやりたい企画があるんです、また相談させてください!」との連絡が入った。彼が目指す次のステップとは、、、

手漉き和紙を身近なものにしたい!

彼からご提案を受けたのが、原料にも触れて、和紙が完成するまでの流れを知る原料の処理体験。製造の過程を知ることで、製品や原料に対する愛着や地元産業の魅力を感じることができる。

このような想いの中でできたイベントがこちら↓

【企画】伊予手漉和紙振興会  ← ナニ!?

地元出身、7年間は県外に住んでいたとはいえ、26年間で聞き覚えのない団体。もしかしたら、聞いたことあっても記憶にないだけかもしれない。この機会に、伊予手漉和紙振興会さんの歴史、すなわち四国中央市の手漉きの歴史について遡ってみます。


伊予手漉き和紙のはじまり

 宇摩地方(現在の四国中央市)では、宝暦年間(1751〜1764)に、嶺南の銅山川流域で豊富な水と自生する楮を伐って、誰かが紙をすいていたのが、この地方の紙づくりの始まりと伝えられている。
 時代とともに近代化で手漉きから機械抄きへと変わっていった。しかしながら、今もなお、この地に伝統の手漉きの技が受け継がれている。

参考文献 伊予の手漉和紙

最盛期(明治30年代から大正2年頃)には700戸数を誇った製造者は、減少し続けて昨年時点でわずか2戸。そんな中、大西さんはこの町に「手漉き和紙」を残していきたい、、、という熱い想いを胸に、今年3月に大学を卒業後、4月から手漉き和紙職人として独立しました。


令和初の手漉き和紙職人が誕生!

今年4月より、伊予手漉和紙振興会に新たなメンバーが誕生し、現在は3戸の製造者が伝統の承継と発展のために活動をしています。

かつての伊予手漉和紙振興会は、全国大会への参加や視察、一般市民向けの手漉き和紙の体験会などを通じて、手漉き和紙の普及に努めてきました。しかしながら、コロナ禍と高齢化が重なって、振興会としての活動が止まっていました。

そんな中、動き出した大西さんは、、、

応援したくなる温かい人柄

23歳の若き職人の決断に、たくさんの方が応援の意を示しています。夏に募集したクラウドファンディングでは、目標を超える多くの支援が届きました。

いつも笑顔で周りを穏やかにしてくれる、そんな雰囲気を大西さんからは感じます。そして、紙のまち四国中央市で、周囲の反対にも屈せず職人として歩みを始めた大西さんには頭が上がりません。

新宮で活動を始めた手漉き和紙工房も、自然に囲まれた素敵なロケーションです!


さてさて、話はイベントに戻します、、、


新宮での原料加工が復活!

新宮地区では、数十年前まで原料である三椏の栽培と原料の加工が盛んに行われていました。そんな新宮の伝統が復活する姿が見られるということで、個人的にもこのイベントを楽しみにしています。

先日、当時の様子を知る地域の方に、かつての加工場をご案内いただきました!


写真集にも残る、当時の風景


当時は甑を使用して原料を蒸していた

イベント当日は、新宮で今も栽培されている方から仕入れた三椏を使用します。

【前編】12/10(土)13:00〜16:00
 ・三椏の皮剥ぎ体験
・新宮茶のおもてなし

※若干名、参加者を募集しております。
   詳しくはコチラから


原料加工のイメージ



ここからは番外編。
最近の出来事をご紹介します!


世界へ伝統の技を発信!

私ができる伊予手漉き和紙の伝統を後世に残すべく、外国人へのご紹介をしていきたいと考えています。毎回、工房を訪れることはできなくても、地域住民から見た伊予手漉き和紙の魅力を伝えていきたいと思います。

今回はお忙しい時間を割いて、手漉き和紙の体験をさせていただきました!大西さんにとって、外国人に教えるのは初めての体験だったようです。

紙の原料の紹介
手漉きの実演
手漉きの体験
色紙サイズの手漉き体験
即日完成!


体験した訪日ドイツ人の感想

実際にやってみたら、意外と難しかった。手漉き和紙はすごい仕事だと思った。体験できてよかった!

紙のまち、四国中央市での特別体験が外国人の目にも地域の魅力として映ったようです。

最後に、、、
大西さんの活動が今後も発展していく姿が楽しみです。これからも伊予手漉和紙振興会の取り組みにご注目ください!!


◎多羅富來和紙の公式HP

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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