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高校生の町おこし【愛媛県立川之江高等学校】

11/3(木)、川高協力隊による「外国のお菓子づくり体験!」が四国中央市新宮町で開催されました。高校生による協力隊が発足した経緯や、この半年間の取り組みをここに残します。

地域おこし協力隊(OHIRO)と高校生との出会い

2022年4月、四国中央市地域おこし協力隊に着任して間もなく、母校である川之江高校の恩師より一本の連絡が入った。

高校生に地域おこしについて講演をして欲しい。

最近の高校生は地域おこしに興味がある生徒さんが多く、地元でのボランティア活動等に積極的に参加しているとのこと。そして、私自身の協力隊活動もこれからうまく進んでいくのか?高校生を地域の活動に巻き込んで、お互いに協力しよう。そんな提案を受けました。

高校生と座談会(5/7)

高校生約90名に対して、協力隊について、これからの活動予定、大学での学びや職務経験などをお話しました。その後、活動に興味のある約20名と今後の方針を確認しました。

ヴィーガン講演会(6/16)

座談会で食のイベントを開催したいとお話し、テーマをヴィーガンに設定しました。ヴィーガンは近年世界的に注目を集めており、健康・食・異文化・宗教・歴史・栄養・環境問題・SDGsなど、様々な支点から掘り下げることが出きるため、高校生にピッタリだと思いました。また私が大学生の頃、ヴィーガンである交換留学生が日本での生活が大変だという姿を見てきました。都会ではヴィーガン専門店があったり、企業が植物由来の○○といった商品を販売したりする中、地元では知らない人が多い。食の多様性が認められ、いろんな選択肢が増えて欲しいと願って、ヴィーガンに関するイベントを企画し始めました。

ヴィーガン講演会に来てくれたのは1年生、2年生それぞれ6名ずつの12名。私がヴィーガンを知るきっかけとなった友人に講演をしてもらいました。(オンライン開催)

その後、全員がヴィーガンの興味関心が高まり、一緒に企画を進めていくことになりました。

第1回ヴィーガン企画検討会(7/11)

ヴィーガン講演会を聞いて感じたことをみんなで共有し、どのような内容でイベントを開催するのかアイデアを出しあいました。そして、高校生としてできることは何かをみんなで考えました。イベントを通して食の多様性を伝え認めあい、選択肢が増える環境ができること。新宮という場所の魅力を参加者に伝えることが目的。

高校生の意見がびっしり書かれている

ヴィーガン食の試作会(8/22)

みんなの意見を元に、お菓子とピザの試作を実施。アイスブレークを交えて、1,2年生の距離も縮まりした。

生地をのばして
棒に巻き付けて炭火で焼く
ハンガリーの国民的なお菓子"クルトシュカラーチ"の完成!
こちらは夏野菜のピザ

どちらも生地には卵やバターを使用せず、牛乳はオーツミルクに代用。砂糖も上白糖を使わず、植物性の甘味料で味を整えて、ヴィーガン対応した食を目指しました。

第2,3回ヴィーガン企画検討会(9/12,28)

集客目標、イベントの企画の詳細決定、班分けを決めてそれぞれの準備が始まりました。

イベント周知チラシ

高校生が担当する食の体験イベントに加え、市内でヴィーガン食の提供をお願いできる事業者さんに、出店を依頼。霧の高原というロケーションを活かして、山YOGAも会場で開催していただきます。

第4回ヴィーガン企画検討会(10/19)

この頃はテスト期間、それぞれの部活動の大会、2年生の修学旅行などで高校生は大忙し。修学旅行では北海道でクルトシュカラーチを食べました!なんて報告も受けました。

 北海道ではアイスと一緒に食べられるそうです

我々もオリジナリティを出そうと、新宮の特産品であるお茶を生地に使用する案が高校生から出ました!

緑茶粉末と、ほうじ茶で試作
 綺麗なみどりの生地ができました

抹茶もいい!ほうじ茶はあまり味がしない、、。ということで、2種類の生地で体験してもらうことに決定!

第5回ヴィーガン企画検討会(10/30)

イベントが1週間前となり、高校生にも火が着いて、一気に準備に取りかかりました。クイズやフォトプロップス、ヴィーガンレシピの普及など、みんなで協力している姿がたくさん見られました。また、アドバイスに対しても柔軟に、素直に聞き入れてすぐに対応してくれます。

 ヴィーガンについて、自分が調べてきたことをみんなに発表

●今は家族と住んでいるからヴィーガンの生活はできないけど、大学生になって一人暮らしを始めたら、生活に少しでもヴィーガンを取り入れたい。
●ヴィーガンを取り入れているアスリートがいます。その効果は、、、
●栄養学的にヴィーガンの食事は、、、
●ヴィーガンの歴史は、、、

それぞれが好きな分野、大学で勉強したい内容などにあわせて、学びを深めていました。自分が高校生の頃は好きなことに一直線で、もっと視野を広げていればよかったという後悔から、今の高校生に実践してもらいたかったことでもあります。地元の小さな世界でも、たくさんの大人と出会っていろんな経験をしてもらいたいです。

イベント前日準備(11/2)

前日は最終確認と生地の準備をしました。

イベント当日(11/3)

文化の日、統計的にも晴れが多いと聞いてましたが、見事に晴れました!

標高1,000m近くの霧の高原が会場となります

イベント開始40分前くらいからお客さんが到着し始めて、高校生も緊張と焦りでソワソワしてました。当日あれがない、これがないと緊急事態続出。なんとかみんなで乗りきってくれました。

開始直後からお客さんが途絶えず、対応が間に合わない。一生懸命、一人一人が自分の役割を全うし、あっという間に三時間が経過しました。目標には届かなかったものの、100名以上の方が足を運んでくださり、お菓子づくり体験は120~130個を超えました。

高校生のモチベーションに繋がったのは、来てくださったお客さんの笑顔。温かい声援をたくさんいただいたようです。そして、自分たちもとても1日を通して楽しめたようです。

そして、イベントが始まるにあたって、地域の方からたくさんのご支援をいただきました。高校生が地元でイベントをやってくれるなら、ぜひ力になりたい。地域の方から、炭のご寄付、高校生への差し入れをいただきました。

こういう、暖かな地域の方々が大好きです!若者の取り組みをいつも応援してくださいます。

今回の活動を通して、川高協力隊のリーダーは次のように振り返りました。

今回のイベントを通じて、食の多様性と新宮の魅力に改めて気づきました。食を経由することで、興味関心が湧きやすくなり、地元の魅力を再発見することで、"あたりまえ"にある尊さに気づくことができます。地域の人との関わりも増え、直接話しかける勇気を身に付けることもできましたし、何より自分たちの企画がきっかけで笑顔になってくれるのは本当に嬉しいです。やりがいしかないです。

今回の経験を通して、また地域での活動に取り組みたい。川高協力隊の想いを次に繋いでいきたい。そんな感想も出てきました。

イベントを終えて

私が考える魅力的な地域とは、若者が楽しめる場があること。楽しい未来が想像できること。同じことの繰り返しじゃない、変化し続ける、ワクワクする場所であること。若い力を大人たちが応援できる、外からの風を受け入れて支える。そして大人になってから帰ってこられる受け皿をしっかり用意しておくこと。

こんなことを意識しながら、協力隊活動をしていきたいし、川高協力隊との活動を展開していきたいです。だいぶ、個人的な書き方になりましたが、いち市民としても母校の後輩たちの活動を応援しています!

 川高協力隊のみなさん、お疲れ様でした!

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