コーヒーを置けない
カフェに誰かと一緒に行くと、いつもコーヒーが先に無くなる。
飲み切った僕と半分残している友人。
なんだか不思議と相手のことが大人に見えてくる。
自分はペース配分もできず、子どものように欲のままコーヒーを飲み切っていて、友人はその場を適切に楽しむべくゆったりとしたペースでカップを口に運ぶ。
とても同じものを楽しんでいるとは思えない。
同じテーブルで話していても、手元にあるのは水だけというのは、
なんとなくだが居心地が悪い。
一方はまだコーヒーを飲んでいるから店にいる理由はあるが、
コーヒーを飲み切った僕は厳密には店にいる理由がない。
ではもう一杯頼むのかと言われると、正直もうそんなに飲みたいとは思ってない。
コーヒーを飲むために話しているか、話すためにコーヒーを飲んでいるかであれば、間違いなく後者である。
それに1杯飲むとおなかがタプタプになってしまうから、もう1杯飲む余地はない。
カフェイン耐性がそこまでないのか、コーヒーを飲むとおなかが膨れる。
そのくせに飲み切るのはまあ早い。
一度カップを手に持つと、なんとなくずっと持ち続けてしまう。
会話の一呼吸のタイミングでは、毎度必ずカップを口に運び、そこそこの量はしっかりと飲む。
そんなことをしてるから、すぐにカップのコーヒーは空になる。
どうやって、カップを手から離せばいいのだろうか。
もはや待てができない犬みたいだ。
一度カップを置いたら、一定の期間を空けないと、絶対に持ち上がらない重さになるみたいな仕掛けをつけておいてほしい。
早く飲むからおなかがタプタプになるのだろう。
せめてタプタプにはならずにコーヒーを楽しみたい。
今年はカップを置く年にしよう。
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