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TMDX OCS(臓器移植システム)は生存率を高めてくれるのか?(スウェーデンの研究者からのレポート)

まとめ

・FDAからOCS(臓器移植システム)についての審査がおり、商業的に使用が進められている
・TMDXは、「OCS使用によって生存率を高める良いデータが出ている」と決算に書いている
・スウェーデンの研究者からのレポートでは、12報告中6報告、半分の報告でOCSによって生存率が高まった、との結果を出している

自分が患者だったら高くてもocs選ぶかなあ、選択肢ないからなあ

OCSとは

OCSとは下の写真の機器です。臓器移植の際に、今までは、冷蔵ボックス保存していたのですが、擬似血液を流し動かしながら保存した方が長く保存できるんじゃないの、ドナーと患者が離れていても対応できるんじゃないの、という考えから生まれました。心臓用と肺用がTMDXから販売されています。


TMDXは、OCS使用によって生存率を高める良いデータが出ていると決算に書いている

下は、TMDX 2022. Q1. (3月31日発表)の決算報告書の抜粋です。

下のような生存率になっており、OCSの方が長く生存する確率が高かったと報告しています。

心臓の場合
OCS  93%  vs. 冷蔵ボックス 86%, 83%

肺の場合
OCS  68%  vs. 冷蔵ボックス59%

冷蔵ボックスは、TMDXがOCSを開発するまで臓器移植の際に使われていた方法です。

スウェーデンの研究者からのレポート

スエーデンの研究グループが世界中で報告されているTMDX OCSの使用結果をまとめています。

それぞれの項目の意味は下の通りです。

Study: 報告者情報
Number of patients: 患者数
Outcomes: 結果

基本的にOCS(TMDXの機器システム)とSCS(Static Cold Storage: 今まで使われてきていた冷蔵ボックス)を比較するという構成です。

それぞれどちらの方が良い結果と報告しているのか、数を数えてみました

半分の報告ではOCSの方が良い結果が得られたと書いています。

参考文献

・TMDX 2022 Q1決算報告

・スエーデンの研究者のレポート Transplant International での報告(2022.3.21公表)


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