見出し画像

特産品で商品開発!農家の主婦グループ「おおい夢工房」の34年間の軌跡。

こんにちは 。地域おこし協力隊の張本です。

広報誌3月号の地域おこし散歩では、合同会社おおい夢工房(以下、夢工房)の代表を務める徳庄よし子さんを取材しました。

町内の専業・兼業農家の主婦で結成されたグループは、米こうじ味噌や特産品を活用した商品の開発・販売など、30年以上も活動を続けてきました。今回のインタビューでは、創業時からほとんど変わらぬメンバーで活動を継続されてきた背景を伺います。

徳庄よし子
合同会社おおい夢工房・代表
おおい町長井在住、小浜市出身。夢工房の代表のほか、きのこと星の町おおいネットワークの顧問やおおいグリーンツーリズム推進委員会のメンバーも務め、地域活動に積極的に関わっている。

ーー夢工房は創業から27年が経つのですね。夢工房の前身である「ミセス農業懇親会」を含めれば、もっと長いのだとか。

そうですね。「ミセス農業懇親会」は平成元年(1989年)から始まりました。役場の人から「お米の販売価格はどんどん下がっていく。お米に代わる商品も必要なのでは」との助言を受けて、各地区の専業・兼業農家の主婦グループを15人で立ち上げたのです。

まずは、菊やさつまいもの育て方、味噌の作り方などを学びました。そして、それぞれ商品化して販売する活動を7年ほど続けていたのです。2000本ものさつま芋を植えていた時期もありましたね。

「米こうじ味噌」

しかし、平成8年(1996年)にJAの広域合併の影響を受けて、味噌加工場が小浜市に移ってしまい、味噌づくりができなくなりました。そこで、私たちが「味噌づくりを継続するため、町の加工場を借りられないか」と役場に相談すると、ある提案を頂きました。「おおい町特産加工研究会」と合併し、味噌だけでなくキノコや梅などの特産品を活用した商品の開発・販売もできないかといった内容でした。

特産品を使った商品開発の経験はなかったので、正直、不安は大きかったです。ただ、味噌づくりに長年励んできたこともあり、加工場を借りられるならと提案を承諾しました。そうして平成9年(1997年)に「おおい夢工房」としての活動が始まったのです。

「ミセス農業懇親会」も含めれば、創業時のメンバーとの活動は今年で35年目となります。これほど長く一緒にできると思ってもいませんでした。

ーー現在も創業時のメンバーが残られているのですか?

実は、夢工房のメンバー12人全員がもともと「ミセス農業懇親会」のメンバーです。創業時は15人でしたが、梅の生産に携わっている3人は、梅を使った商品開発に集中するために「企業組合うめっぽ」を立ち上げました。今でもお互いに近況は気にしていますし、地域を良くしていきたいという気持ちは一緒だと思います。

ーーどうして、それだけ長く一緒に続けることができたのでしょうか?

みんな同じ方向を向いているんです。多くのお金を稼ぐよりも、特産品を使った商品を一生懸命つくることによって、町の活性化の手伝いができたらいい。そんな考えを持った人たちが偶然にも集まり、一つのグループを作ったからこそ継続できているのだと思います。
 
また、採算を合わせることも重要でした。夢工房を維持するだけでも土地代や電気代など年間数百万円のコストがかかるので、商品を販売することでしっかりと収益を得ないといけません。そのためには、町内だけでなく、町外にも販路を持つ必要があります。だから、都市にもよく商談で出向いていました。

ーー商談には徳庄さんが?

そうですね。メンバーの多くは商売を好む気質ではなかったので、商売人の家で生まれ育った私が自然とその役割を担当してきました。商工会や役場のご協力もあり、東京の展覧会で出品したり、百貨店のバイヤーと商談をしたりして、都会の人の反応を見させてもらいました。
 
バイヤーの方には「賞味期限が短い」と度々言われました。世に出回っている商品の多くは防腐剤などの食品添加物が入っているため、賞味期限も長く、販売しやすいとのことです。一方で、夢工房の商品には添加物が入っていないため、2~3か月しか保たない。しかし、夢工房はずっと無添加で、家族に食べさせたい味を大事にしてきました。

「ものすごく熟した梅のジャム」

ーー無添加へのこだわり、素敵ですね。
 
一つひとつの商品に手間暇をかけてつくっている自負はあります。「梅ジャム」は梅の皮を手作業で剥いていたり、「梅肉エキス」は焦げないように9時間かけてトロトロに煮込んだり。「唐辛子味噌」も唐辛子の種を手で取り出しているのです。こうした過程を経て商品にすると生産者も喜んでくれます。どんどん販売できたら地域の活性化にも繋がります。そういう考えを大事にしている人たちが夢工房には残っているのだと思います。

岡安区で採れた唐辛子

ーー最後に、これからの夢工房についてお聞きしたいです。
 
今でもお菓子づくりの部分で関わってくれている人がいるのですが、今後はそんな若い人たちとの関わりが増えたら嬉しいです。また、私は今年で77歳になるので、ゆくゆくは夢工房を担ってくれる人と出会えるといいなと思っています。
 
――今日は夢工房のこと、色々と教えていただきありがとうございました。
 
ありがとうございました。また聞きたいことがあれば何でもお話するので、いつでも来てください。
 

編集後記
 
商品づくりのこだわりも、35年間も活動を共に続けてこられたメンバーの関係性も、驚くことばかりの取材でした。そして、一つひとつの商品を地道な手作業で作られている様子を垣間見ることができ、道の駅やスーパーで販売されていることも当たり前ではないんだと感じるようになりました。これからの夢工房さんの活動も応援しています。

執筆・撮影:張本 舜奎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?