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編集部への手紙:馬の獣医師不足に立ち向かうある大学の取り組み

こちらは、アメリカPaulick Reportの編集長が書いた「編集長Vossが心配していること、教室にいる競走馬専門の獣医学を学んでいる人の孤独」の記事に対して届いた返事の紹介をPaulick Reportの許可を得て、翻訳しています。


「編集長へ
馬診療のキャリアを目指す獣医学部生が減少しているのは事実です。この傾向には、初任給の低さ、農学的背景の欠如、学費の借金、馬診療に必要な時間 を働こうとする意欲欠如など、多くの要因があります。そこで、ミシシッピ州立大学獣医学部で、特にケンタッキー州中部での馬医学への関心を高めるために行っていることを、読者の皆さんと共有したいと思います。

私は2年前に馬の内科の教員になるためにケンタッキー州を離れました。ケンタッキー州の馬産業で働き、牧場や競馬場で働く人々の献身的な姿に触れることができ、大変幸運でした。ミシシッピ大学では、ジャンプやバレルレーシングで活躍する馬関連のアスリート選手や、農場で働くことを生業とする真のカウホースを見ることができます。ミシシッピ大学の獣医学部では、学生がケンタッキー州の普段は体験できない馬関連の活動を体験できるよう、学生旅行を企画できないか尋ねたところ、非常に協力的でした。

春のキーンランド競馬大会と9月の馬のセールの時期に旅行を計画し、学生たちが馬関連の2つのユニークな側面を見られるようにしています。旅の初めの木曜日と金曜日には、Old Friends サラブレッド引退馬ファームで馬のワクチン接種と駆虫を行います。生徒の希望に応じて、他の場所への訪問も行っています。

ケンタッキー州の皆さんは、獣医学科の学生たちに会って話をすることに、ものすごく親身になってくれました。スチュアート・ブラウン博士は、キーンランドの馬の安全対策を紹介し、パドックと勝ち馬表彰式場に案内してくれました。ブルース・ハワード博士とケンタッキー競馬委員会の獣医師は、検査を行う厩舎、パドック、スターティングゲート付近を案内してくれました。また、ケンタッキー馬事研究所とレインズエンド牧場を訪問しました。Dr. Brad Tanner は Rood and Riddle Equine Hospital を案内し、興味深い馬歯の症例を紹介してくれました。Hagyard Equine Medical Institute は、本校の学生にリモートでの練習回診を許可してくれました。学生たちは、ラジオ番組「Horse Tales with Ercel Ellis」にゲスト出演させていただいています。Old Friendsサラブレッド引退馬ファーム の Antonio Marin さんは、私たちの作業日を企画し、140 頭の馬を捕まえるために素晴らしいクルーを集めてくれました。ケンタッキー州の皆さんは、学生たちに会って、自分の専門分野や仕事について話すことに、とても親身になってくれ、関心を持ってくれました。このほかにも、紹介し忘れてしまった心ある方々がたくさんいらっしゃると思います。

私は学生たちにいつも伝えています。「ケンタッキーダービーの優勝馬に触れる幸運に恵まれるまで、私のキャリアの大半を費やすほど時間を要しましたが、今、学生さん達は学校にいながら、Old Friend 引退馬ファームでその馬の世話をすることができるんです。」私は、馬の前歴に関係なく、アフターケアは馬術医学教育の一環であるべきだと強く信じています。すべての獣医師は、動物保護施設や引退後の農場で、恩返しをすることを学ぶ必要があるのです。

ケンタッキーへ学生さんたちを連れて行くことを手配するには、多くの人の労力が必要です。ケント・ホブレット学部長、ジャック・スミス副学部長、そして学部長のビル・エパーソン博士には、学生のサポートと経費の負担をお願いしています。Old Friends 引退馬ファームのマイケル・ブローウェンさんは、学生のために宿泊施設を無償で手配してくれています。学生さん達はテストや忙しい授業の合間をぬって、ケンタッキー州まで研修旅行に行くことについても評価されるべきだと思います。今後も、春のレースと秋の馬のセールの時期に、定期的にケンタッキー州を訪れる予定です。来年はいつ行くのか、すでに問い合わせが来ています。

Paulick Reportの読者や馬業界関係者に、アメリカ・ミシシッピ州で馬関係の仕事を推進するために私たちが何をしているかを知っていただく一助になればと思います。競馬場や農場でもそうですが、ケンタッキー州の人々はとても親切で、私たちが愛するこの業界についてもっと学び、評価してくれる学生たちに関心を持ってくれています。

敬具

ミシシッピ州立大学獣医学部
病理生物学および集団医学部門
臨床准教授
ブライアン・M・ウォルドリッジ、DVM、MS、DABVP(馬診療)、DACVIM(大動物診療)」

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