無機物まとめ 【高校化学】

典型元素:元素の周期律の考えによく当てはまる
       ーアルカリ土類金属元素(2族)
       ーアルカリ金属元素(Hは除く1族)
       ーハロゲン元素(17族)
       ー希ガス元素(18族)
       
&&性質
価電子の数は族番号の下一桁に等しい(18族は0とする。)
最高酸化数は族番号の下一桁に等しい(18族は0とする。)
大部分は無色のイオンを作る。

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還移元素:典型元素以外
     (3~11族)
     金属元素

&&性質
還移元素は同じ周期の隣にあった元素の性質が似ていることが多い。
→原子番号の増加と最外殻電子が比例しないため多くは2個でイオンになる場合に内側の殻からも電子が放出されるため。
融点は高く硬度も高い。
有色のものが多い。」
錯イオンを作りやすい(錯イオン:配位結合や水素結合によりつながる金属元素と非金属元素の化合物)
酸化剤や触媒として作用するものが多い。(触媒:化学反応の際にそれ自体は変化せず他の物質の反応速度に影響を与える物質。)
                   (酸化剤:酸化過程において酸素の供給源となる物質のこと)

同族元素:周期表の同じ族に属する元素→性質がにている

1。アルカリ金属元素(1族、水素を除く)
一価の陽イオンになりやすい。密度が小さい→融点が低く柔らかい金属。
常温の水と激しく反応→水素を発生させる。空気中の酸素や水分と反応するため灯油中に保管

2.アルカリ土類金属元素(2族、放射性元素を含む)
2価の陽イオンになりやすい。密度はアルカリ金属元素よりは大きい→融点も高い。常温の水と穏やかに反応して水素を発生させる。
化合物は炎色反応を示す。

3ハロゲン元素(17族、放射性元素)
典型元素で17族なので、いずれも価電子を7個持つため1価の陰イオンになりやすい。(価電子が1~3個は陽イオン、価電子が6~7は陰イオン)
単体は2原子分子
有色で毒あり。酸化力が強い(自身が強い酸化剤ということ。つまり自身は還元される)
フッ素と塩素は気体。臭素は液体。ヨウ素は個体。

4希ガス元素(18族、放射性元素)
Heは2個。その他は8個の最外殻電子を持つため安定した電子配置をとり、イオンになったり化合物をつくることが殆ど無い。価電子の数は0。
単体は単原子分子で空気中に含まれている。アルゴンは0.93%。


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水素::::::
水素は一価の陽イオンになりやすい。他の1族元素とは性質が大きく異なり、非金属元素である。
宇宙空間に最も多く存在する。地球上では水などの化合物として存在。

製法
1 亜鉛や鉄などの金属と希硫酸や塩酸を反応させる。
2 亜鉛、アルミニウムなどの両性元素の単体に水酸化ナトリウム水溶液を作用させる。(両性元素:酸とも塩基とも反応する物質)
3 水を電気分解すると陰極から水素が発生。
4 ニッケル触媒のもとで炭化水素(天然ガス中のメタンやナフサ)と水蒸気を高温で反応させ、銅触媒と反応させて水素を分けとる。

性質
無色・無臭、密度が最も小さい気体。
水に溶けにくい
空気中で点火すると淡い青色の炎を出して燃焼し水になる。
高温で還元作用を示す。

用途
ニッケル水素電池に水素吸蔵合金の形で使用されている。

化合物
水素と他の元素の化合物は水素化合物と呼ばれている。

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希ガス元素(周期表18族)

単原子分子
空気中に0.9%存在(アルゴンAr)

1Heヘリウム
 天然ガスから分離して得る。
 密度は空気の0.14倍→軽い→飛行船などに使われる。
 液体のヘリウムは沸点がすべての物質中で最も低いので→リニアモーターカーやMRIなどの超伝導体の冷却剤として利用される。
 黄色

2Neネオン
 ネオンランプやネオンサインなどに使われる
 赤橙色

3Arアルゴン
 空気中に0.93%
 液体空気の分留で得られる。
 白熱電球や蛍光灯の封入ガス
 金属溶接時や電子部品製造時の酸化防止用の保護ガス

4Krクリプトン
 クリプトン電球に使われる
 
5Xeキセノン
ストロボに使われる
希ガスの性質:・
電子配置は安定している
最外殻電子はHeは2、その他は8子を持つため電子配置は安定している。価値電子は0とする。
化合物を作らない。イオン化傾向が大きい。

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ハロゲン元素:

    価電子の数は典型元素であるのですべて7個
価電子の数が7個であるので一価の陰イオンになる。
2原子分子
有色で強い毒性。
金属元素と化合して塩を作る。
酸化力がある。
酸化力は原子力が小さいほどおおきい。(原子量:炭素原子を12としたときの相対的な質量)


・フッ素
激しい毒性
単体としては存在しない。
常温で二原子分子F2。
陰性が最大
電気陰性度も4.0で最大。(電気陰性度:物体内の原子が電子を引き寄せる力の強さ)
→化学反応性が高い→ほとんどすべての元素と化合物を作る。
>白金や金、ダイヤや水晶などとも500℃以上で反応する。
>水と激しく反応して酸素を発生する。(同時にオゾンO3が生成することもある)
>ほとんど化合物を作らない希ガスのXeキセノンとも反応する。
>水素とは低温でも爆発的に反応してフッ化水素HFを生成する
 F2+H2=2HF

用途→濃縮ウランの製造

・塩素
>酸化マンガンに濃塩酸を加えて加熱する。
>酸化マンガンに塩化ナトリウムと濃硫酸を加えて加熱する。
>さらし粉に塩酸を加える(さらし粉は酸化剤の役目を果たす。Ca(ClO)2次亜塩素酸カルシウム)
 次、亜とは:亜がつくときは酸化数が通常よりも1少ない。次がついたときはそこから更に酸化数が1少ない。
 次亜のついた酸は不安定で有毒なことが多い
>塩化ナトリウム水溶液を電気分解。

性質:
刺激臭を持つ
黄緑色の気体で有毒
加熱したナトリウムや銅などの金属と激しく反応
Cu+Cl2=CuCl2
水に溶けて塩素水となる。
Cl2+H2O=HClO
上のように水に塩素を通じるとHClOができるのでこの有毒な物質の殺菌作用によってプールなどを殺菌することができる。
酸化力が強い→水分のあるところで花などの色素を酸化して漂白する。
気体水素と塩素の混合物は光によって爆発的に反応
水酸化ナトリウム水溶液に吸収される
湿ったヨウ化カリウムデンプン紙を青くする。
ヨウ化カリウム水溶液を褐色にする。

用途
漂白剤や殺菌剤


・臭素
>臭化物に酸化マンガンと濃硫酸を加えて熱する。(臭化物:−1価の電荷を帯びた臭素原子Br)
>臭化物の水溶液に塩素を通じる(通じる:混ぜる)

性質
常温で赤褐色の重い液体
低音では暗赤色光沢のある結晶
刺激臭のある有毒な蒸気を放つ→水を加えて密栓した容器中で保管
空気中に百万分の1存在するだけで気管支や肺が侵される。百万分の1=1ppm (ppm:百万分率)
臭化物イオンは銀イオンと淡黄色の沈殿(臭化銀)をつくる。
臭化銀は感光性が強い→写真フィルムなどの感光剤に使われる(感光性:可視光を受け取ったときにオブジェクトが反応する量
(オブジェクト:対象))
気体や水溶液中の臭素は炭素原子間の不飽和結合に直接付加するため赤褐色は消失する。(不飽和結合:2価以上で結合している化学結合のこと)
→不飽和結合の検出に用いられる。
水に溶ける→臭素水
Br2+H2O↔HBr+HBrO(次亜臭素酸)
塩素水と同様”次亜”の物質が発生するため殺菌効果はあるでしょう。
次亜臭素酸がHBrOなので亜臭素酸はHBrO2,臭素酸はHBrO3とわかります。(上の塩素のところで説明済み)
化学って意外とおもしろいね。
エタノールなどの有機溶媒によく溶ける(有機溶媒:水に溶けない物質を溶かす常温で液体の有機化合物)

・ヨウ素
>ヨウ化物に酸化マンガンと濃硫酸を加えて加熱する(塩素と臭素と同じ)
>ヨウ化物の水溶液に塩素を通じる(臭素と同じ)

性質
黒紫色の固体。
加熱すると昇華する。
蒸気は紫色。(ということはよくある紫色の毒ガスのイメージはヨウ素なのか?→調べてみたところ、戦争では除菌殺菌用として使われました。)
水にはほとんど溶けない(これは塩素と臭素とは違う性質ですね)
エタノールなどの有機溶媒によく溶ける(臭素と同じ)
デンプン水溶液と反応して青色になる(ヨウ素デンプン反応)
アルコールに溶かしたものが消毒液のヨードチンキ(戦争でも使われました。アルコールに溶かしているので傷口にしみるそうです。)

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ハロゲンの化合物

・フッ化水素HF
>蛍石に濃硫酸を加え、白金の容器で加熱する→ガラスは侵されるため使用できない。(蛍石CaF2:加熱すると沸騰したように光る)

性質
無色
発煙性の液体または気体(沸点は20℃と大変低い)
ただ、他のハロゲンに比べると水素結合が分子間にあるため、著しく沸点は高い。
刺激臭
有毒☠な蒸気を出す。
水によく溶ける。→フッ化水素酸となる。他のハロゲン化水溶液と異なり電離度が小さく弱酸←HとFの結合エネルギーが大きいから。
(電離度:電離するイオンの割合)
注意⚠
水素結合はHF分子どうしの結合に使われている。HとFの結合とは関係ない。
ガラスとも反応するため、ガラスの容器に入れることはできない。→ポリエチレンなどの合成樹脂か鉛など
フッ素の電気陰性度が4.0で最大であるから(電気陰性度:分子内の原子が電子を引き寄せる力)

・塩化水素
>塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱
>塩素中で水素を燃やすことで直接化合

性質
無色
刺激臭
湿った空気中で発煙する(塩酸の霧)
水によく溶ける(塩化水素を水に溶かしたものを塩酸という)強い酸性
アンモニアにふれると塩化アンモニウムの白煙を生じる。

・塩酸
酸化力は弱い
鉄、亜鉛、マグネシウムを溶かして水素を生む。(銅、銀、水銀は溶けない)
金属の酸化物を溶かす。

・オキソ酸
分子中に酸素原子を含む無機酸。(無機酸:無機化合物の化学反応で得られる酸。)
(無機化合物:炭素以外の元素で構成される化合物)
オキソ酸
ー次亜塩素酸
ー亜塩素酸
ー塩素酸
ー過塩素酸
酸化数が小さいほど酸化力は強く酸の強さは弱い。

次亜塩素酸
 塩素を水に溶かすと発生する
 Cl2+H2O↔HCl+HClO

次亜塩素酸ナトリウム
 水酸化ナトリウムに塩素を通じると生成する。
 2NaOH+Cl2↔NaCl+NaClO+H2O
さらし粉
酸化力が強いので酸化剤・漂白剤・殺菌剤に用いられる。
塩酸を作用させて塩素を作るのに用いられる。
プールの消毒にも用いられる
高度さらし粉:さらし粉から溶解度の大きなCaClを除いたもの。
塩素酸カリウム
実験室で酸素を得るために用いられる。

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