インディ・ジョーンズ®・アドベンチャー: クリスタルスカルの魔宮
今回はディズニーシーのロストリバーデルタにあるアトラクション、インディ・ジョーンズ®・アドベンチャー: クリスタルスカルの魔宮についてのBGS等々を書いていきたいと思います。
(適宜ディズニーシーで写真が撮れ次第、この記事にも写真や図を追加していきます。)
アトラクションのStats
FP:対象
シングルライダー:対象
身長制限:117cm以上
提供:Panasonic
インディ・ジョーンズはディズニーシーの一番奥のエリア(2019年現在)のロストリバーデルタの左の方にあるアトラクションです。
主に大きく揺れるアトラクションで、最後に少し落下があり、そこで写真が取られます。少し上向きに顔を向ければカメラ目線になるはずです。また、最高速度は23km/hとそんなに速くない、飛ばしているママチャリくらいの速さです。
一番奥にあるので、朝1番(開園30分前まで)に狙うと、人気アトラクション(ソアリン、トイマニ)が手前に集まっているということもあり、結構空いていたりします。ただ、2022年にロストリバーデルタとアラビアンコーストの間に新エリアができるので、それがどう影響するかわからないですが、できる前まではこの傾向はあると思います。
このロストリバーデルタはオープン当初、レイジングスピリッツとグリーティングトレイルはなく、トランジットスチーマーライン(半周)とこのアトラクションしかなかったため、他のレストランやエリア自体のBGSにも関係があったりするのですが、エリア自体のBGSはまた今度…。
またこのアトラクション、ディズニーシーでは数少ないシングルライダー対象アトラクションなので、1人で行くときは待ち時間なしで乗れるのでいいですね。
そして提供はPanasonic、旧松下電工。その名残からキューライン(待ち列)には松下幸之助の新聞や松下電工のブランド、ナショナルの電球が置かれていたりという小さなこだわりも。また、提供がついているところにはスポンサーラウンジというものがあるのですが、このアトラクションにもPanasonicのスポンサーラウンジがあります。(場所は探してみてください。)
ちなみにアトラクションは、インディ・ジョーンズシリーズの第1作目の映画「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」を意識しており、壁から矢が飛んでくるシーンやクライマックスの岩が落ちてくるシーンはまさにこの映画でも描かれています。
大まかなストーリー
本題のバックグラウンドストーリー。
まず、大まかなストーリーは以下のようなストーリー。
ロストリバーデルタは1930年代の中央アメリカ(メキシコ)がテーマのエリア。このアトラクションも同じ時代がテーマです。考古学者インディ・ジョーンズ博士の遺跡の発掘作業の最中、助手のパコ(アトラクションの説明をしている動画に出てくる小太りのおじさん)が金儲け目当てに「若さの泉を探す探検ツアー」を開催してしまい、ゲストはそれに参加するという設定。ジープに乗って若さの泉を探しに探検に出発するのですが、結構序盤でクリスタルスカルを怒らせてしまい…、という設定。
上記がアトラクションのストーリーではあるんですが、アトラクションで少し気になりませんか?
まず、「若さの泉、結局出てこなくね?」、そして「なんでクリスタルスカルにキレられたの?」ということ。
それらを中心にBGSを解説していきたいと思います。
インディジョーンズの神殿のBGS
本アトラクションのシンボルとなる神殿ついて。
まず、本アトラクションのシンボルとなっているあの神殿ですが、マヤ文明の遺跡であるメキシコにあるチチェン・イッツァがモデルらしいです。
※グアテマラのティカルという遺跡の第一神殿と書いてあるリソースもあり、諸説あるが、モデルとなっているどちらの遺跡マヤ文明の時代区分でいう古典紀後期に作られた神殿。
そのため、遺跡の上部にも古典期後期の遺跡の特徴の一つである飾りがあったりと、再現されている訳ですね。
そしてこの神殿の前には、ジャガーが彫られた台座と人が彫られた石碑(石碑のことを専門用語ではステラというらしいです)があります。
この台座やステラは、コパン遺跡にあるステラ(後ろの石碑:ステラC、台座:ステラD)がモデルらしく、結構撮影スポットになっていたりします。
しかしこの台座、実はこの神殿に捧げる生贄のための台座なんですね。
この台座に生贄となる人間を横にして、心臓をえぐり出し、生贄として捧げます。
そしてこの台座にはジャガーが彫られています。
ジャガーはマヤ文明などでは権力や強さを表すものとして神として崇められていたらしく、王座や神殿に彫られていたと言われているらしいです。
一方でマヤ文明ではジャガーは死を意味すると書いてあるリソースもありました。
そのため、詳しくは調べても分からなかったため個人的な考察ですが、死の世界へいざなうって意味なのか、もしくはピラミッドなどと同様にマヤ文明でも神殿は王の墓である場合が多かったらしく、その王に捧げる生贄の台座ということでジャガーが彫られているのでは?と考えられます。
その一方で、この遺跡には、羽の生えた蛇の石像があります。
これはマヤ文明に登場する神ククルカンというらしく、人間に農耕を与えたり、生贄を止めるように忠告する神らしいです。
生贄を捧げる一方、それを忠告する石像も作られるというなんとも矛盾というか、そんなものを感じます。
キューラインのBGS
キューライン(以下キューと略す)とは、アトラクションなどの待ち列のことを指します。
キューには屋内のキューと屋外のキューの2つに大きく分けられるますが、特に屋内のキューラインには待っているゲストを飽きさせないために細かな作り込みがされています。
そして本アトラクションに乗ったことある人はご存知だと思うのですが、本アトラクションもキューラインの途中からキューが屋外から屋内に入り、神殿に入っていくことになります。
そしてこの屋内のキューラインにも作り込みがされており、BGSが隠れていたりするため、ご紹介ができればと思います。
生贄の間(生贄の祭壇)
まず、神殿に入ると大きな空間が広がっています。
そこには大きな偶像と大量の尸が目に入ると思います。
まず、大きな偶像、これはマヤゴッドと呼ばれる神です。
このマヤゴッドの偶像、アステカ神話の女神であるコアトリクエがモデルとなっています。
この「コアトリクエ」とは「蛇のスカートをはいた女」という意味で、主に農作に関わる神であるらしいです。
一方で、コアトリクエの主食は人間であるというお話もあります。
そして、マヤゴッドの偶像から目線を上に上げていただくと、大きな穴が空いていることがわかります。
少し話が戻りますが、神殿の前で心臓を取り出された生贄は、その後神殿の最頂部へ持っていかれ、その神殿の最頂部にある穴に入れられます。
そしてその神殿に入れられた生贄は先ほど説明したマヤゴッド上部の開けた空間から落ちてきて、この空間に生贄として捧げられるといことです。
そして、下に転がっている尸がまさにその生贄が骸骨化したものになる訳です。
さらに、先ほども述べたようにマヤゴッドのモデルであるコアトリクエの主食は人間であるということからも、この生贄はクリスタルスカルに捧げられたものというよりもコアトリクエに捧げられたものであると考えられます。
さらに、隣のレストラン、ユカタンベースキャンプグリルあたりに象のようなものが彫られています。
これは「チャック」という雨の神であり、鼻が上を向いていると雨乞い、下を向いていると雨への感謝を意味するらしいのですが、この装飾の場合、上を向いています。
ククルカンも農作に関わる神であることから、神殿が作られるほど栄えていたと考えられる一方、そもそも農作には向いておらず、食糧不足には悩まされていた可能性は高いと個人的には考えられるんじゃないかなと思っています。
少し話が脱線しましたが、さらにキューラインを先に進むと、クリスタルスカルの壁画や噴き出る噴水の壁画があります。
クリスタルスカルの壁画では、クリスタルスカルが侵入者らしき人に火を吹いていたり、大蛇や顔の石像が弓矢を放っているのが描かれています。
この壁画から、既にここの入り口の壁画で、この神殿でどのようなトラップがあるのかが記されているようです。
一方で噴き出る噴水の壁画には、腰の曲がった老人が噴き出る噴水の方に近づいており、噴水の近くにいる老人は一方で背筋が伸びており、元気になっていることが描かれており、この壁画は若さの泉の効果を示しているのではないかと言われています。
マップルーム(鏡の間)
さらに先に進むと円盤が置いてある部屋に進みます。
ここは「鏡の間」や「マップルーム」と呼ばれる部屋で、ここに入ってきた光が円盤に反射し、壁画を映しています。
その壁画にも、生贄の間にもあった巨大な蛇など神殿内の数々の罠や若さの泉について描かれています。
ブービートラップ
その先に進むと壁に顔が彫られている通路に入ります。
実はこれはトラップ。
スタンバイのキューラインの1番最初の壁に顔が彫られている箇所の足元に、骸骨のような(スターウォーズで言うストームトルーパーのような)マークが床にあるのですが、そこを踏んでしまうと、その壁に彫られている顔から炎が出てくると言う仕組みらしいです。
そしてその先に行くと、インディ博士のデスクがあったり、発掘した物品や送られてきた物資などがあったりします。
ちなみにインディ博士のデスクには日本の架空の新聞「国際ジャーナル」なるものが置いてあり、そこには松下幸之助も電化製品を物資提供したとの記述が残されていたりします。
また、その証拠として、キューにNationalの電化製品が散乱しています。
もちろん、提供がパナソニックなのでと言うことなのですが。
そしてこの国際ジャーナル、日付が昭和10年(1935年)9月4日となっています。
ロストリバーデルタの時代設定としては1930年代となっているため、もう少し細かく言うと、少なくとも1935年以降であることがここからわかります。
ところで若さの泉ってどこにあるの?
「若さの泉」とは、「永遠の若さを手に入れることができる泉」のことで、ゲストはこれを探す旅に出るわけですが、前述の通り、クリスタルスカルを怒らせたがゆえに災難にあってしまい、それどころではなくなり、結局若さの泉は出てこずじまい。アトラクションの最後にもパコが「若さの泉見つけた?え?そりゃ残念、次はきっと見つかるよ。」とこっちはパコのせいで災難にあっているにもかかわらず脳天気に言っています。
ということは、多くの人は見つけられないんです。そして若さの泉、実際にはアトラクションからは見えないところにあります。
じゃあなんでこんなこと書くかって話なんですが、実は若さの泉の近くは通っているんです。
場所は一番最初、魔球に入ってすぐ、クリスタルスカルに遭遇して、キレるシーンがあると思うんですが、そのクリスタルスカルの左の壁。
このシーン、すぐに左折してしまうので一瞬なのですが、ここに波紋の影が映っています。
実はこの先が若さの泉と言われています。
実は、若さの泉に関しては、インディ・ジョーンズ・アドベンチャーの横にあるレストラン、ユカタンベースキャンプグリルにも少しBGSがあります。
ユカタンベースキャンプグリルは、そもそも発掘者(考古学者って言ったほうが日本語的には適切?)のベースキャンプだったのですが、そこで出されるスモーク料理が非常に人気を博したため、レストランとして開業したというBGSがあったりします。
そのユカタンベースキャンプグリルの向かって左の突き当りの壁の正面に、枠があって石で埋められたような壁があります。実はその壁、若さの泉につながる穴で、石で埋められてしまったというBGSがあります。
なぜ石で埋められているか?実はそこを通って若さの泉を通ると不吉なことが起こるらしいので、封じられてしまったようです。
…ということで、若さの泉は「クリスタルスカルの横」、もしくは「ユカタンベースキャンプグリル向かって左の穴の先」にあります。
アトラクション冒頭でなんでクリスタルスカルにキレられた?
それでは、ゲストはなぜ入って早々クリスタルスカルにキレられたのでしょうか?勝手に魔宮に入ったから?
実はクリスタルスカルにキレられたのは、いくつか理由があると言われています。
まず、ジープのエンジン音、これが魔宮内の静寂を乱した結果、クリスタルスカルがキレた訳です。
そして、理由としてもう1つ、魔宮に入る前(クリスタルスカルがいる間)の扉のところ、両サイドに水があるのですが、その水で身を清め、拝んでから入らなくてはならず、当然ゲストはそれを行っていないので、キレられた訳です。
実はガイドツアーや公式のサイト、ガイドブックなどでは上記のどちらかが書かれてあったり、前者を否定して後者が書かれていたりというリソースもあったり、すこし曖昧なのです。ただ、上記の理由のどちらかor両方なのは確かだと思います。
補足:海外パークのインディ・ジョーンズのアトラクション
ディズニーシーのインディジョーンズのアトラクション以外にもカリフォルニアのディズニーランドとパリにありますが、パリの方はディズニーシーのレイジングスピリッツの元となっているアトラクションなので、実質このタイプのアトラクションはカリフォルニアのディズニーランドだけですね。
Indiana Jones™ Adventure (at Disneyland park)
構造としては大体日本と同じです。
が、BGS等々が全く違います!!(そこが面白い!)
以下紹介するBGSはこの動画を参考に作成しています。
このアトラクションはIndiana Jones Adventure:
Temple of the Forbidden Eyeという名前で1995年3月にカリフォルニアのディズニーランドにアドベンチャーランドにオープン。日本のスターツアーズとかトゥーンタウンのオープンと同じくらいですね。
オープン後、2012年~2013年にいろいろリニューアルし、プロジェクションマッピングの効果が加えられました。(公式HPを見ると、Indiana Jones Adventureだけなので、このタイミングで名前変わったのかも?(詳しくはわかりませんでした…))
このアトラクションの見どころとしては、日本との違い。特にプロジェクションマッピングやBGS(後述)、キューラインあたりですかね?
プロジェクションマッピング
後述するのですが、日本と違い、実はこのアトラクション、日本と違って3パターンあります。プロジェクションマッピング導入前はこれをなんとか壁動かしてやってたりしたんですが、これをプロジェクションマッピングにすることで、より世界観が出ている感じです。(詳しくはWikipedia(英語版)見ていただいたうえでyoutubeで2013年以前のアトラクション動画みたりするとおもしろいかも?)
キューライン
オープンは1995年なのですが、近くにあるアトラクションはジャングルクルーズやカリブの海賊、ホーンテッドマンションなど、地味に結構敷地を要する老舗アトラクションばかりでスペースがなかったという理由もあり、アトラクション自体の場所としては、ジャングルクルーズの奥にあります。(詳しくはグーグルマップで見てみてください。エントランスの隣くらいとアドベンチャーランドから見て結構離れたところにあります。)
なので、キューラインは0.8km(東京ディズニーランドで言うと、大体ディズニーランドステーションからイッツアスモールワールドまでの直線距離と同じくらい(Google mapで測定))あるらしいです。
また、ディズニーランド鉄道がキューラインの上を通ってるなどもあり、ディズニーテーマパークの設計等を担当するイマジニアは、キューラインもしっかり作りこまれています。(ちなみにマラ(後述)への警告に関する暗号もあるらしいので、探してみては?(引用元の動画でも触れてます。))
BGS
1935年インドのバンガロールが舞台。考古学者インディ・ジョーンズ博士はインドのバンガロールにマラ神という神が宿る神殿の地図を手に入れ、そこに発掘作業へ行きます。
マラの神殿では以下の3つの場所(日本語訳はちょっと不安ですが、大体あってると思います)があるのですが、「マラの眼を見てはならぬ」というルールが存在します。
・永遠の若さの泉(Fountain of Eternal youth):永遠の若さと美貌が得れる
・この世の富の間(Chamber of Earthly Riches):この世の富が得れる
・未来の観測所(Observatory of the Future):自分の未来が見える
しかし、発掘資金が尽きてしまったので、資金集めのためにサラ(多分インディの助手)主催でツアーを開くことにしたのですが、ツアーの参加者がマラの眼を見てしまったがために、神殿に災難が生じてしまいました。さらに、インディ博士も神殿のどこにいるかわからない。そこで、ツアーの参加者に救出を募るというストーリーです。
(最初に上記3つの場所に導く扉が現れ、それのどれかにランダムに導かれます。そして正面にマラが出現するわけですが、乗っているゲストの誰かが見てしまい(そうとは限らないんじゃとかそういうツッコミは受けません…)、正規の軌道からズレてしまい…。(ちなみにその正規のルートの場所が日本では、上述若さの泉へのルートです))
その他、入り口付近にある発電機がキューラインの電気を作ってたり、入り口にある車はレプリカじゃなくてマジで映画で使われていた車だったり、本来のコンセプト図では、インディ・ジョーンズのアトラクションの施設内にジャングルクルーズのルートを入れようとしていたり(実際海外ではディズニーランド鉄道がスプラッシュマウンテンの中を通ったり、WDWにあるピープルムーバーはスペースマウンテン内を通ったりと意外と海外だと普通にあります)、駐車場のイーヨーのゾーンを壊して作ったので、駐車場のイーヨーの看板があったり、隠れオビワン(映画にも「オビワン」というお店が出てたりということもあるので)があったりなどなど詳しくは先ほどの動画で確認できます。
参考文献
・https://castel.jp/p/2291
・http://magicalmoment1901.blog.fc2.com/blog-entry-449.html
・http://tdrlove.com/seaat/tdr1765.html
・http://blog.livedoor.jp/wininter001/
※本記事の写真は全て著者の撮影したもので、写真に映る建物の著作権はDisney社の所有するものです。
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