「理解」のカタログを作りたい。〜「理解」の意味の違いによるトラブルを避けるために〜

理解とは何か。
きっと人それぞれ違っていて、それがしばしば問題を起こす。
ある人は理解しているつもりでも、他の人からすると理解していない。そんな場面に出会うことはとても多い。
例えば、初心者が「分かった」といったので「やってみて」と言ったらできなかったとか、そんな場面。
じゃあ、理解とは何か。
それをみんなが例示して、理解というものの“カタログ“ができたら素晴らしい。そんなことを思って、
自分の知る限りの理解の例を挙げてみる。

理解という言葉を、文章で表現してみる、そんなプロジェクト。
今回は、ぱっと思いついたものを、理解の浅い順に並べてみました。
よければ、皆さんにとって理解とは何か、教えてください。

知っている言葉の連続で表現できる。


ある物事を、知っている言葉・知っている概念だけで表現できて、頭の中で無理矢理組み合わせればそれらしいものとして解釈できる、というタイプの理解。
自分の中では、うわべだけの理解の時は、この場合が多い。
注意として、この場合には、元々の物事の意味を正しく捉えられていない場合が多い。

あるジャンルのものとして、どんな種類のものがあるのかを覚えている


例えば、c++などのプログラミング言語で、どうしたらどんなことができるのか、色々覚えている。
どうしたらどんなことができるのか、とか、どんなものがそのジャンルに含まれているのか、覚えていたら、ささっとgoogleで検索して具体的な情報を見つけられる。きっとこれも理解の一種。google検索で玉石混交の情報が出てくるからこそ成り立つ、現代的な理解の形。


図にできる 

何かの物事について、図にして説明できる。
図にできるということは、登場物とそのつながりを適切な形で把握できているということ。
また、図の書き方を変えることにより出てくるたくさんのパターンについても少し応用するだけで理解できる。これも多分理解の一種。


簡単な計算により、物事の大筋が掴める

例えば計算できるものの場合、細かい計算は無理でも、いくらか簡略化すれば計算して物事の大筋を再現できる、というタイプの理解。
計算できるので、資料などが目の前にあれば、自分の理解が正しいのか確認することができる。
他の人に頼らなくても、自分の理解の正しさを確認できるという点では一歩進んだ理解。

その物事が正しいかどうかを、実際のデータで判別する方法を構築できる


ある話を聞いたときに、その話が正しいのかどうかを判別する手法が頭の中にあって、もしデータや資料を入手できればその話が正しいのかどうかを判定できる、というタイプの理解。
話が正しいのか間違っているのかを人に頼らずに自分で判断できるだけでなくて、他の人と議論する場合にも、正しいかどうか判別する手法の部分の議論から入ることができ、さらに、実際のデータを用いることで議論を収束させることができるので、他人と議論をする際にはこのレベルの理解はあった方が良い。
特に、数式などでは表現しにくくて、自分で動く形に再現することも困難な場合などに有用。

自分で動く形で再現できる


例えば装置やプログラミングで、本などで紹介されているものと同等のものを自分で作ることができる、というタイプの理解。
ここまで理解していれば、大抵の場合で他の人にわかっていないと言われることはないだろう。
でも、動く形にできるものとできないものがあるので、全てのものに適用できるお話ではない。

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