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テレワークは質問を困難にするか?図にして考える。

質問するには、技術が必要だ。

解決したい問題があった時、詳しい人が隣にいるとは限らない。隣の部屋にいるかもしれないし、別の建物にいるかもしれない。もしかしたら、世界中に数人しかいないかもしれない。(比喩ではなく、研究ではたまにあります。)
今の社会情勢なら、どこかでテレワークしているかもしれない。
そんな中で、詳しい人の力を借りて、問題解決する。
テレワークは、質問の難易度をどれだけ上げるか?

質問による問題解決とは?

大体、こんな流れだろう。
1. 質問者による問題の把握
2. 原因ではない部分の切り分け
3. 回答者による状況把握
4. 原因の可能性がある部分の詳しい理解
5. 原因の判明
6. 解決方法の発見
質問者は1と2を一人で行い、 3以降は、回答者に聞きながら行う。

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“質問者はなぜ問題だと思っているのか?”
回答者は、質問者がどの段階でつまずいているのか把握して回答する。
本来、質問による問題解決は質問者と回答者の共同作業だ。
質問者の質問の仕方が下手なら、問題の把握だけで数時間経つだろうし、質問者が上級者なら、原因でない部分の切り分けまで済ませた状態で、「ここがわかりません」と質問するかもしれない。
回答者が上級者なら、断片的な話だけで、原因を絞り込めるかもしれない。
質問者の技量と回答者の技量が合わさって、問題が解決される。

場合によっては、質問者が下手で、回答者が状況を把握できず、
ええい、めんどくさい、そっちにいく、
となるかもしれない。
それが、テレワークではできない。
テレワークでは、実際の状況を見ることができない。
だから、質問者による問題の把握の技術と状況を伝える技術、そして回答者の状況把握の技術が合わさらなければ、テレワークでの問題解決は難しくなってしまう。


優秀な質問者は、状況を適切に把握し、問題を切り分け、適切に回答者に状況を伝える。そして、回答者の能力を最大限活用して、素早く解決する。
優秀な質問者であるということは、問題解決を他の人とともに行うことが優れているということであり、きっとそれだけで問題解決のプロと言ってもよいのだろう。
大学院生にとって、これはとても大切な能力。だって、研究では、詳しい人は海外にしかいない、ということはよくあることだから。

余談。
最も優秀な質問者は、だれかの発表を聞いて、発表者が思いもしなかった問題を指摘する。たいてい、このような最も優秀な質問者は、教授と呼ばれている。

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