自己洗脳を引き起こす、とても危険なインチキロジック

今日も今日とて不毛な議論

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つい先日、Twitterで ”風俗嬢” に関する討論の場面を目撃した。

内容的には片方があまりにも現実を知らず、また知る気もなく、何を言われても「ボクの考えた理想論」や ”たられば” を繰り返すばかりという残念なやり取りだったのだが、一点だけどうにも見過ごせないインチキがあった。

それがこれ。

どういうやり取りなのか気になる方は、ここから遡ってみるといいんじゃないかと思うんだが、個人叩きを煽りたい訳ではないので、踊り子さんには手を触れないこと(ヲチ先は荒らさずマターリ)。

で、このツイートの何が問題かを解説したいのだが、実はこれ、非常に恐ろしい、危険極まりない手法なのである。

それは情報ソースにはならないよ……

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問題のアカウントの人物は、風俗業を否定したいようなのだが、その根拠に「娼婦は性奴隷であり、世界的に人道から外れている」という話を持ち出した。

ところが、そのソースとばかりに貼り付けたWEBページに問題がある。

このwikiは ”性的奴隷に関するwiki” であり、自説の根拠にこれを持ち出すというのはいささか頭が悪すぎる。

というのも、問題のアカウント氏が自説を補強したいのであれば、ここで必要となるのは ”娼婦・売春婦に関するそれ相応の説得力のあるページ” であり、なおかつそこに 「娼婦・売春婦は性奴隷であり、人道に外れる職業である」と、世界中の多くの国で言われているという証拠が載っていなければならない。

ところがだ、”性的奴隷wiki” なんていくら読んでも性的奴隷に関する話題しか書いていなくて当たり前で、これでは全然 【娼婦=性的奴隷は世界の常識説】の補強になっていないのである。

で、これについては早速このようなツッコミが入り、完全論破された状態になってしまった訳だが……。

しかし残念なことに、外野から見ると冷静に「あ~詰んだな」と分かるのだが、当人は完全に盲目状態になってしまっているため、こうした的確なツッコミを浴びても全く反省もしていなければ、自説を曲げもしていない。

いわゆる謝ったら死ぬ病に冒されてしまっている。

問題の人物は岡村さん叩きで有名になった藤田某と全く同じで、結局のところ風俗嬢という汚らわしい女が憎くて仕方がないのである。
だから、自分が抱えている風俗嬢に対する負の感情を正当化するために、適当な理屈に飛び付き、このザマになってしまったのだと予想できる。

ようは、自分の感情を正当化することこそが最重要課題であり、そのために用いたロジックが真っ当なものであろうと破綻していようと、そこはもはや些細なことなのだ。

ひとつだけ言えるのは、まともなロジックが組めないならtwitterなんて悪目立ちする場所で他人様に議論を吹っ掛けるべきではない。
それは本人にとって何もプラスにならない……どころか、ドマイナスになる道しかないと思う。

で、それだけならば本人が赤っ恥をかくだけで済むのだが、このインチキ手法にはそれでは済まない落とし穴がある。

確証バイアス

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私のブログやnoteを読み続けてくれている方ならば、ここで何を述べたいかお分かりだと思うが、このような 「そのロジックは世界中でお前にしか通じねえぞ」 という無茶苦茶な自説を押し付けて来る輩というのは、自己洗脳状態に陥っている可能性が高い。

問題の人物のツイートを読む限り、入り口は「女は身勝手で甘ったれている」「男は差別されている」というものだったと思われる。
彼はその自説を補強するために「女には風俗という楽に大金を稼げる最終手段がある」という ”間違った(偏った)情報” に飛び付いてしまった。

ところが、実際には風俗で思うほどの大金が稼げている女性など超少数派で、平均値を出したら会社勤めの男性と大差ないか、下手をするとその遥か下ということになるかもしれない。

というのも、”風俗に身を落としても” 全く稼げない女性だって大勢いるからだ。

もっと余計なことを言うなら、風俗で大金が稼げるような女性なら、AVでもグラドルでも、もっと割のいい仕事にあり付ける。
したがって、風俗という道を選んだ時点で、多くの女性は 「目玉が飛び出るような大金は稼げない」 という事になる。

会社勤めの男性にも上には上が、そして下には下がいるように、風俗嬢の業界も全く同じである。
稼げる人間はガンガン稼げるし、どんだけ値を下げても客が付かない嬢は何をしたって貧乏暮らしから抜け出せない。

しかし、問題の人物はもう頭がガチガチに固まってしまっているから、風俗嬢を悪し様に言うために、そうした悲惨な状況にある女性達の存在など考えもしない。

そして「風俗は売春である。売春は違法行為である。よって直ちに禁止すべきだ」という知性の欠片もない子供の結論のような話になってしまう。
違う言い方をすると、結論を変えるつもりがないから、その結論に至る最短ルートを焦って突き進んでしまうのだ。

このような、自説を補強する情報だけを選り好みする行為を ”確証バイアス” と呼ぶ。

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