見出し画像

「板橋価格とは何か?」を理解するのに最良の名洋食店(Brasserie MORI /板橋/洋食)

【定期購読マガジンについて】
[内容] 元芸能記者、元AV監督などなど流浪の人生を送るライター荒井禎雄が、主に実体験を元に様々なジャンルの記事を書いています。
[特に高評価された時事ネタ]  表現規制問題 ・フェミニズム問題・セックスワーカー問題・ネットウヨク問題など
[フィールドワーク] 地域批評・商店街批評・グルメ
※主に東京23区の下町や商店街を中心に、その街の住みやすさや特色などについて解説します。
[料金]  月額500円(継続購入になりますので、購読を中止する場合はお手数ですが解除手続きをお願いいたします)
[更新頻度] 2018年11月の開設以来、毎月約20本の記事を掲載しています。 マガジン購入者限定のネット配信番組やイベントなども思案中ですので、ぜひ応援&ご購入よろしくお願いいたします。
[ご購入はこちらから]
https://note.com/oharan/m/me7f4e089bacd

もう愛する板橋区を出てずいぶん経つのだが、未だに何かの機会に訪れている「THE板橋の店」がいくつかある。


今回ご紹介するブラッスリーMORIも、そんな「これぞ板橋」と評するしかない名店。同じ物を都心で食べたらおいくらするんだろうと考えてしまうような(良い意味で)値段に見合わないお料理が楽しめる洋食屋さんである。


ブラッスリーを名乗るだけあって非常に大衆的なCPで、洋食として考えたら額面の時点ですでに何かがおかしい。

さらに、注文したお料理の現物を見るとポーションの大きさがおかしく、食べてみると味の良さがおかしいという三段構え。これぞ板橋価格である。


そんな訳で、まずはお酒とパンを頼み、メニューとにらめっこして今後の展開を思案。この時間が一番楽しい気がする。


最初にやって来たのは、MORIに来たらこれを頼まないとモグリというサラダ。サイズはスモール・レギュラー・ラージと選べるが、レギュラーサイズでも充分な大きさ。

ただし、ついて来る自家製ドレッシングが驚くほど美味しいので、スモールサイズのサラダを頼んでしまって後からサラダおかわりなんて事もMORIあるある。

このドレッシングが何にでも合う傑作でなあ。タマネギやニンニクの風味が立っていて、そこに醤油の香りがうっすら加わり、さらに何かでまったりとした口当たりにしていて……。

ランチタイムには、このサラダとパンのセットを食べるために、わざわざ行列に列ぶひとまでいる大人気メニューである(サラダとパンなのにちゃんとお腹が膨れる)。


サラダを食べ尽くした後も、パン+ドレッシングでガブガブ酒を呑むといういつもどおりの展開。野菜やパンだけではなく、肉にも魚にも合う本当に不思議なドレッシングである。

ちなみに品切れになっていなければ持ち帰り用に買えるので、食べてみて気に入ったら店員さんに聞いてみるよろし。コンビニやスーパーで買って来たカット野菜が大化けするで。


MORIは盛り合わせ系がだいぶお得で、この洋風刺し身(¥980)は昔から大好きな逸品。カルパッチョよりも日本の刺盛り寄りで、だけどソースは洋風。

白ワインがいくらあっても足りない悪魔のようなメニューなのだが、ここに先程のドレッシングを少し加えても味変できて美味しい。


お肉の盛り合わせ(¥1,380)は2人前サイズで、レバーパテや生ハムなどお酒に合うお肉系のおつまみがプレートに盛られている。何故か端っこにアメリカンドッグが置かれていたのが面白かった。

ここまでに頼んだサラダ・刺し身・お肉プレートだけで、ワインのフルボトルが何本か空いてしまいそう。子連れだったので私も女房もだいぶセーブしたが、以前この店の近所に住んでいた頃だったら遠慮なくフルボトル2本コースだったんじゃないかと思う。


MORIには色々とキラーコンテンツがあるのだけれども、冬の寒い時期ならば間違いなく海賊スパゲティだと思う。
見ての通り、トマトベースのスープの中にわんさか魚介類が入っていて、ハーブを効かせた身も心もホカホカに温まる名品である。

熱々で提供されるので猫舌のひとには厳しいかもしれないが、これまたランチタイムでも大人気なメニューなので、寒い時期には騙されたと思って食べて欲しい。


パスタも食べて〆ったかと思わせておいて、困った事にMORIはドルチェも美味しいの。以前はドルチェプレートみたいなメニューがあって、それが異常にお得だっただけれども、今はこんな感じの単品メニューになっているらしい。

750円とそれなりの金額なのでどうしようか悩んだのだが、せっかくの久々のMORIだから頼んでみたのだが……。


なるほど、ドルチェプレートをやめた代わりに、単品で頼んでもこのように盛り合わせで出て来るのか。結局はCPの良さと満足度的には何も変わっていないという事だった。


ここは人気店なので電話予約しても席が取れない事すらあるのだが、それでも行ってみる価値のある名店である。もし板橋に行く用事があったらぜひ思い出して欲しい。

ちなみにJR・板橋駅、東武東上線・下板橋駅、都営三田線・板橋区役所前駅からそれぞれ徒歩数分といったところ。一番道が簡単なのは区役所前駅だけど、板橋郵便局の目の前なので、スマホの地図アプリがあればどこから歩いても迷うことはないと思う。


[店名] Brasserie MORI
[所在地] 東京都板橋区板橋2丁目41−5
[TEL] 03-3964-7286
[営業時間] 11:00~21:00(14:00~18:00中休み)
[定休日] 月曜

◇ 著書の宣伝です
『魚屋がない商店街は危ない 東京23区の商店街と地域格差』
MM新書・マイクロマガジン社(定価994円:本体価格+税)
https://amzn.to/2S2gqbB
「商店街の衰退は街の格差を生む。繁盛している商店街は住民の教養が高い。では、商店街が廃れた地域の住民は…?」
板橋区の旧宿場町の商店街出身の私が、東京23区の主だった殆どすべての商店街と、商店街を中心とした生活動線を歩いて回り、その結果を1冊の本にまとめました。
滅びゆく存在となってしまっている商店街こそ、「誰もが豊かに」という日本の文化レベルの高さを底支えしている存在だったのです。

皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。