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錦糸町北口にオープンしたドンキの品揃えが『これぞ錦糸町』と表現するよりない偏り方で面白い

錦糸町という街は、JRAの場外馬券場が2棟も建っており、その周囲に何軒ものパチンコ屋がひしめき合い、ついでに一昔前は競馬中継をエサに客を誘い込んでぼったくるという超絶ヤクザな飲み屋が何軒もあったような、まるでゴッサムシティのような平和な街である。

ちなみに、この辺りで最も医療レベルが高い墨東病院は、錦糸町南エリアのラブホ街のど真ん中にあり、まさにゆりかごから墓場まで。仕込みの段階から人生の終焉までひとつのエリアで終わらせられる仕様となっている。

両国生まれの女房の話だと、昔は駅前に「ゴキブリババア」と呼ばれる女性がいたそうで、いつもゴキブリを頭に付けたまま駅周りを徘徊していたそうだ。

まだ両国に引っ越して日が浅い(7年くらい)私でも、まだまだ赤ん坊だった頃の息子を胸に抱いて買い物をしていたら、キャッチの兄ちゃんに「オッパイどうっすか?」と声をかけられ、思わず足を止めて「お前それはどっちに対して言ってるんだ?オレか?息子か?」と聞き返した事があるような、そんな愛と平和に満ち溢れた夢の街である。

そんな浦安のネズミの国の次くらいにファンタジーな錦糸町に、これまたファンタジーな人種を集めやすいお店がオープンしてしまった。ご覧の通りドンキホーテ様である。

さすが錦糸町だなと思うのが、このドンキの隣は錦糸町名物のエスニック食材と叩き売りの激安野菜で大人気の八百屋だということ。この2軒が並んで建っている様は「これぞ錦糸町」と言うよりない。

以前はパンドラというパチンコ屋があった建物なのだが、それが潰れてドンキホーテが入った事で、より凶悪な「完全版」に進化を遂げた感がある。

これまで錦糸町は駅の南側がヤバくて、北側は比較的新しく作られた平和なエリアだったのに、これで腐敗と自由と暴力の真っ只中になっちまいそうだ……(つい本音が)。

先に裏口から案内してしまうが、表通りからグルっと裏に回ると、エレベーターがある。実はこれパチンコ屋時代からあった屋上の駐輪場へ行くエレベーターで、もし自転車で訪れる場合は面倒でもこれで屋上に停めた方がいい。というのも、錦糸町の駅周りは見回りが過剰に厳しく、飲食店で食事をする10分程度の間に警告札を付けられるような気分の悪い土地なのだ。

で、エレベーターの隣にある自動ドアは入り口専用で、ここからは出られないのでご注意くだされ。

錦糸町ドンキのフロアマップ。敷地的にはそれほど広くなく、むしろドンキとしては狭い部類。近くの店だと亀戸ドンキに近いと思う。1フロアが狭い分、地下1階から地上3階までの4フロアを使っている。

1階にはレジとコスメ系の商品など定番の物があるだけだったのでスルーして、2階から見て回る。

するとなんという事でしょう、いきなりイマドキこんなもんが流通してるんだなと驚かされるブツがお出迎え。レディースのインナーコーナーに世代的にあまりにも懐かしすぎるルーズソックスが垂れ下がっていたのだ(写真左側)。

「わ~これは撮ろう!」とスマホを抱えて近寄ろうとしたところ、後ろから猛烈な勢いでオッサンが追い抜かして行き、ルーズソックスの前から動かなくなってしまった。フロア内の他の場所を見て回って、数分経って戻ってもまだ撫で回していたので、残念ながら撮影できず。あまりに恐ろしくてその場から立ち去る以外の選択肢がなかった。

やっぱ錦糸町はこうでなくちゃ!

2階は女性用のインナーコーナーの他に、アロマやサンリオグッズなど妙に偏った品揃えになっており、何故かプロテインなどのトレーニング用品の売り場もあった。

アロマやサンリオグッズを欲する女性と、なかやまきんに君は同列だという、ドンキからの奥深い謎掛けである。

3階には「オレ的絶対にドンキでは買いたくない物ランキング1位」の家電コーナーがあった。錦糸町にはヨドバシもヤマダもあるし、ドンキで家電かあ……(以下略)。

そういえば、パンドラ(パチンコ屋)時代には、ここにレアなスロット機が置かれていて、思い出した時にダメ元で打ちに来たんだよなあ……。信じられないくらい出なかったなあ……。

家電コーナーの奥には自転車コーナーがあったのだが、何故こんなものを3階に作ってしまったのだろうか。例の駐輪場行きのエレベーターで下ろすからいいという判断か。でもあのエレベーターって1台(とそれを押す人間1人)で満杯になるようなサイズだから、ここに搬入するの嫌だろうなあ。

自転車コーナーの隣には何故かラブグッズ、ジョークグッズのコーナーが。なんだろうこの売場の作り方のイビツさ。自転車って子供も見に来るような気がするんだが、それを待ち構えるかのようなTENGAの群れ。

中にはオナホ系もあるんだけど、このように昔とは違ってパっと見では何か分からないスタイリッシュな商品や、カップルでイチャイチャしながら使う商品がメインになっていた。この商品選びには正直「いいじゃん」と思ってしまった。

やっぱアニメ絵がクパーしてたりとか、AV女優の半裸写真が描かれているようなオナホ類って、こういう店にはそぐわないよねえ。AV系の専門店があるのだから、そういう物はそっちだけで取り扱う方が「お互いの売上の為にもいい」と思うんだ。

このラブグッズ売り場にはこんな感じでイロハが並べられているんだけど、こんなの知らない人は何をどうする物か分からないと思う。デザイン的に和菓子みたいだよな。

で、この店が本領発揮するのは地下フロアである。パンドラ時代には、錦糸町最大の1円パチンココーナーがあった場所だ。

正直、2~3階を見て回った時点では、「なんだよくあるドンキ、しかも手狭なヤツか」という感想しかなかったのだが、この地下フロアを偵察して結論が変わった。

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元芸能記者、元AV監督などなど流浪の人生を送るフリーライター荒井禎雄が、時事ネタ・地域批評・グルメなど様々なジャンルの記事を書いています。…

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