言葉狩りが全くの逆効果にしかならない理由

令和の時代になっても未だに言葉狩りや創作物狩り(いわゆる焚書)が続いており、人間の愚かさにげんなりする毎日である。

これは10年も20年も前の言葉狩りが問題視された時代に何度も何度も語られた事なのだが、時間が経ち過ぎて忘れてしまったとか、ハナから知らないという世代も増えて来たと思われるので、改めて「基本」の部分を書いておきたい。

今回は基本中の基本である「言葉狩りのデメリット」について述べる。


「心のキレイな人々」は、善かれと思って好ましくない単語を焼こうとするが、実はその行為こそが「よろしくない隠語を無限に生み出す」「犯罪行為や悪意に対抗する手段を失う」ことに直結する。

今はTwitter社などの厳しすぎる(&よく分からない)凍結基準が取り沙汰される場面が増えて来たが、あれこそ典型的な言葉狩りである。

Twitterのように利用者が多いと、通報が来る度に細かく精査するといった作業が出来ず、単に「問題のある単語を使っているかどうか」で半自動的に弾く以外に方法がないのかもしれない。

しかし、それによって「犯罪の予防策について述べていた専門家が凍結される」といったバカげた話が現実に起こるようになってしまった。

当noteの記事で言うと、過去にこのような記事を掲載した事があった。

※無料記事です

この記事は「児童ポルノ被害を告発した映画が、映倫によって児童ポルノ扱いされ、審査拒否によって映画館で流せなくなった」という笑い話について書いたものである。

Twitterの場合もこれと状況が非常によく似ており、「児童ポルノについて警鐘を鳴らすような投稿をすると文字だけ問題視されてブロック/凍結される」ような本末転倒な状態になってしまったのだ。

他の例えをすると、「ヘイトスピーチを問題視する発言をしたらヘイトスピーチと見做されて凍結される」といった具合だ。

こうした「問題のある単語を使っているか否か」というあまりに雑な判断をしてしまうと、結果的に 「社会問題についてマジメに論じることが封じられ、問題行為自体はそのまま放置される」 という地獄のような話になってしまう。

これが言葉狩りの最も深刻な問題点である。

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