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NHK報道被害者が語る『NHK式 捏造報道の作り方』 #2

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NHK報道被害者が語る『NHK式 捏造報道の作り方』
#1 https://note.com/oharan/n/n294a867d5b3c
#2 https://note.com/oharan/n/n42cb777d4ac0
#3 https://note.com/oharan/n/n3fd11e926b86
#4 https://note.com/oharan/n/n4270405a9be3
#5 https://note.com/oharan/n/n78ee486d559f



いざ収録、NHKに拉致監禁

前回はNHKからオファーが来るまでの話を書いたが、ここからはある意味で本丸の部分になる。実際にNHKがどのような手法で捏造報道を作り上げるのかを解説しよう。
いや、解説ってか実体験をただ書くだけなんだけれども。


さて、NHKへの出演が決まった私は、間にトトロ大嶋という知人が入ってくれていたこともあり、完全に油断し切っていた。本来ならばもう少し用心して当日を迎えるべきだったのだが、特に何も用意せずホイホイと渋谷のNHKに向かってしまったのだ。

というのも、大嶋氏に「収録日決まったよ」と伝えたところ、「じゃあ当日はボクも同席しますよ」と言って貰えたため、じゃあ平気だろうと安心してしまったのである。

ところが、前日の夜だったろうか、その大嶋氏から「ごめんおはらん、当日出張から帰れなくて間に合わないわ」という裏切り(?)の電話が。
内心「おいおい」と思いつつも、それでも何とかなるだろうと思った私がバカだった……。

・NHK入り

21時に収録開始とのことだったので、少し早めにNHK入りすると、まずは番組の趣旨説明と、撮影の流れを伝えられた。
私は録画中のカメラの前に座り、番組のキャスターから様々な質問を受ける。それに対して答えて行き、「ここは特に」という場面があったら少し演出を加えて同じことを言い直す。必要な分だけ話を聞き出したら撮影終了。

だいたい2時間もあれば終わるとのことで、それならば終電には間に合いそうだった。というか、むしろ終電に間に合うというのがこの日に収録を受けた条件だった(フラグ)。

こうした段取りの説明が終わると、スタッフから弁当を渡され、では撮影開始時間まで少々お待ちくださいという流れに。

・収録開始

当時、忘れない内に収録の内容を全部残しておこうと大量のメモを書いておいたのだが、それによると当日の質問の流れはこんな感じだった。

(1)簡単な自己紹介(職業・職歴やネット歴など)
ここで私は素直にライターであり、元AV監督であり、超大手サイトの元プロデューサーでありと、使われないであろう部分もなるべく詳しく自己紹介しておいた。


(2)ネットにおける言論とネットウヨク

どうもネットの匿名性が引き起こす諸問題(いわゆる2ちゃん問題的な)について興味があったようなので、電話でも言った通り「そういう連中もいるが、私は自分の言葉に責任を持ちたいので、個人サイトを開設した直後から実名と顔出しで活動している」と説明した。
その上で「匿名性が高いからこそ可能な社会に有益なこと(事件の告発など)もある」といった点や、「一概に匿名だから悪ではなく、匿名性が守られないと強者が弱者を一方的に虐げることが可能になってしまう」といった点について解説した。

当然、それと併せてネットの匿名性を悪用する輩に関する批判も行い、警察の考え方が変わって来て、法律の整備も進み、最新の判例も増えているので、次第に状況は変わって行くだろうという予測も付け加えておいた。

続いて ”ネトウヨ” についても聞かれたので、ネットウヨクとは【内弁慶+インターネット】である ”ネット弁慶” と、政治思想である ”ウヨク” とを合体させた造語であるといった説明をした。
この収録が行われた07年には、すでに在特会など主だったネトウヨ系団体が誕生しており、あちこちで 「行動する右翼」 として街宣活動を行っていた。よって、ここではそうした団体と実際の政治団体とが合流する危険性について説明させて貰った。

参考までにネトウヨ年表
2004年4月 チャンネル桜 開局
2005年1月 桜井誠、木村誠名義で地上波討論番組に出演
2006年7月 主権回復を目指す会(代表:西村修平) 結成
2006年11月 新風連結成
2007年1月 在日特権を許さない市民の会(代表:桜井誠)結成
2007年12月 瀬戸弘幸 新風副代表に就任
2007年12月 日本を護る市民の会(代表:黒田大輔)結成

ネット言論だのネットウヨクだの匿名性だのなんだのと言うならば、この当時最も注意をしておくべきはこの動きだったので、私としては特に解説に力を入れた。

だが、この(1)と(2)は放送では全てカットされた。


(3)ネット上での情報拡散

続いて、ネット上でどのようにして情報が拡散され、今でいう ”炎上” になるのかという解説をした。炎上という単語が確かまだ無かった時代なので、ここでは ”祭り” という単語を使っていた(こういう点からまだまだ2ちゃんの影響が強かった時代だと分かる)。

ここで私は次のように説明している。
「何か大きなネタがネット上に投じられた際に、親から子に、子から孫にといった具合に、情報がネズミ算式に広がって行く。まず一次情報を大手サイトが拾う。それを読んだユーザー達が自分のサイトで紹介する。さらにそれを読んだユーザー達が……といった形でピラミッド型になって行く。そういう情報波及のルートがいくつか集まると、最終的に何十万人という読者数になり、それが一つのベクトルに向いた時に、凄く大きな力になることがある」

と、これは今読み直しても別に何もおかしくない内容で、SNSの炎上の仕組みの説明だと言い張っても通用してしまいそう。

ところが、NHKはこの説明を 「荒井が嫌韓流というネトウヨ本ブームを仕掛けた時に使った手口だ」として放送したのである。

一体どうしてそうなったのか。それは(3)の解説の後に何が起きたのかを知れば嫌でも分かるはずだ。

どこから湧いたんだ嫌韓流

こうした話を終えたあと、番組キャスターがいきなりよく分からない質問をぶつけて来た。「ところで、嫌韓流という本はご存知ですか? 作者さんのインタビューが出来たので、何かあればお願いします」と。

そういえば電話でも嫌韓流の名前が出たし、事前に大嶋氏から「ネトウヨ問題についても聞くかも」と言われていたので、特に気にも留めずに当たり障りのない受け答えをしておいた。

なんせ私は嫌韓流なんか一度も読んだことがないので、TVで語れるような知識がないのだ。だから素直にそう言った。

しかし、それまでスムーズに収録が進んでいたのに、ここからいきなり雲行きが怪しくなる。
私が「嫌韓流なんか知らない、読んだことない」と言う度にキャスターが合図をしてカメラが止まって録画し直し。そして少し質問の仕方を変えて嫌韓流の話ばかりを聞いてくるのだ。

どういう風に質問が変化して行ったか、分かりやすく文章で表現するとこのようになる。多分読んでいて苦痛になって来ると思うが、当時私はNHKの小部屋に閉じ込められた状態でこれをやられたので、それを思って我慢して欲しい。

―― 嫌韓流というマンガをご存知ですか?
「はい」
―― 嫌韓流をネットを使って仲間に広めたことはありますか?
「いいえ」

---やり直し---

―― 嫌韓流というマンガをご存知ですか?
「はい」
―― 嫌韓流を広める文章を自分のブログに書いたことはありますか?
「いいえ」

---やり直し---

―― 嫌韓流というマンガをご存知ですか?
「はい」
―― 嫌韓流の感想をブログに書いたことはありますか?
「いいえ(読んだことありません)」

---やり直し---

―― 嫌韓流というマンガをご存知ですか?
「はい」
―― 嫌韓流の名前を自分のブログに出したことはありますか?
「単語を書いたことくらいはあると思います」
―― その時のページを開いてください。カメラで撮影します
「だから読んだことないし大したこと書いてないと言ってますよね?」

---やり直し---

こんなやり取りが延々と続き、気付けば時間は23時。21時開始で2時間あれば終わると言われていたのに、話が嫌韓流になった途端にこの有り様で遅々として進まない。

尺的にも内容的にも、ここまでの撮れ高で充分だろうと思ったのだが、キャスターらは何故か嫌韓流に固執し、収録を止めようとしない。

だが、さすがにここまで来ると私も相手が仕掛けて来ていると気付くので、頑なに嫌韓流に関する話はしなかった。だって読んだことないんだもん。

そして遂にはこんな話になってしまった。

―― 嫌韓流というマンガはご存知ですか?
「はい」
―― 嫌韓流について友達と電話で話をしたことはありますか?
「……」

トトロ大嶋が間に挟まっているからとガマンにガマンを重ねたが、これを言われて私も本気になった。後にNHKの担当ディレクターと何度か電話でやり取りし、そこで猛烈に抗議し、ついでに一連のやり取りを録音したのだが、その会話の中で私はこう言っている。

「収録の時も男性キャスターに直接言ったけど、仮に私が友達と電話で嫌韓流の話をしていた事実があったとして、それがどう番組と関係あるの? 番組のテーマはネットの情報波及とか言論とかなんでしょう? 私はそう聞いたから請けたんだよ。それがネットと関係ない場所で私が友達と話をしてましたって、どう番組のテーマと繋がるのよ。 どんな番組にしたいのか、どんな絵や言質が欲しいのか、騙し討ちしないで最初からハッキリ言ったらどうだよ? そしたら断ってたよ。最初の電話で言った通り、オレは嫌韓流なんか一度も読んだことないんだから。それにネットで ”荒井禎雄 嫌韓流” で検索してみなよ。何も出て来ないから。1日にユニークで1万人見に来ているブログ(当時)なのに何も引っ掛からないっておかしいだろ? オレがネットで嫌韓流を仕掛けた証拠なんか何もないけど、オレが嫌韓流について何も言っていない証拠はいくらでもあるの。一発で捏造と分かる真似はすんなよ」
※ 当時の通話録音の文字起こし

もう分かって来たと思うけれども、NHKはハナから「嫌韓流・ネットウヨク」と「無責任な祭り」を軸にして番組を作りたかっただけなのだ。ようはネットウヨクがネットを使って無責任に祭りを煽って、それによって被害を受けるひとが増えていると。

そして私は軸のひとつである「嫌韓流」のブームを引き起こした張本人のネトウヨ・パワーブロガー様として登場するという筋書きだったのだろう。
山野車輪のコメントが取れたと喜んでいたので、そこと私のコメントとを組わせて補強するつもりだったに違いない。

そのようにして作られた捏造報道番組がコレだ。

NHK 特報首都圏『ネットの“祭り”が暴走する』
2007年07月06日(金)放送
インターネット上の匿名掲示板で突如発生する“祭り”。有名人や企業など、特定の個人や団体を攻撃する材料を見つけると、ネット上で不特定多数が連帯して意見交換で盛り上がる。時には根拠のない情報がでっち上げられ、ネット上でまことしやかに流されることで、それを信じた人が、個人宛に脅迫文を送りつけたりするなどエスカレートするケースもある。今やネットの中だけにとどまらず、現実社会に大きな影響を与え始めたネットの“祭り”。いったいどんな人たちが参加し、なぜ熱狂するのか。歯止めがきかないネットの”祭り”とどう向きあっていけばよいのか、考える。

※ ご注意
以下有料枠ですが単なる愚痴とのろけなので特に読まなくても大丈夫です

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