「ほら言わんこっちゃない」の大合唱、パチンコ屋の名前晒しで大行列・大繁盛

宣伝効果抜群だった「実名公表」

つい先日、「休業要請に従わないパチンコ店の実名を公表する」という件について、このような記事を公開した。

この記事をアップした翌日に、本当に大阪府知事がパチンコ店の名前を発表したのだが、その結果どうなったかという答えが明らかになった。

はい、私の(そして皆様の)予想通り、素晴らしい宣伝効果があったようです(失笑)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休業要請に応じなかったとして、大阪府が店名を公表したパチンコ店の一部では、25日も営業が確認され、開店を待つ客が朝から行列を作った。
(中略)
60代の男性は「毎日の習慣なので今日も来た。普段より並んでいる客が多いような気がする」と周りを見回した。和歌山市から夫婦で訪れた男性は「ニュースで公表されたリストを見て来た。あくまでも要請なので、営業している店があってもいいと思う」と営業を歓迎した

新型コロナ対策の休業補償や現金支給などについても同じなのだが、こういう事が起きるから、現実を知らない人間が強権を発動してはならん訳で。
少しでも状況を把握しているならば、店名の公表など逆効果であり、むしろ大型クラスターが発生する可能性が高まってしまうと分かるはずだ。

先日の記事にも書いたが、今はパチンコ屋は宣伝もままならない状況にあり、売り上げも下降線を辿っている。
そんな時に、行政が大々的にTV・新聞・雑誌・WEBなどあらゆるマスメディアを使って店名を世にばら撒いてくれるとなったら 「むしろ休業をやめて営業再開する店すら現れる」だろう。

パチンコ屋にとっては、それくらい貴重な宣伝機会である。

パチンコ業界なんて、少し前まで年間の脱税金額で1~2位争いをし続けたグレー過ぎる業種であり、今も昔も経営者はそれほど様変わりしていないのだから、順法精神という面で非常に疑わしいと考えねばならない。

昨年7月にこのような記事を書いたのだが、ここにあるようにパチンコ業界が今までに起こした不祥事・インチキの類は枚挙にいとまがない。

今回の見当違いどころか確実に逆効果になる店名公表は、「そんな連中なんだ」という考えが無さ過ぎた故と言わざるを得ない。

換金停止状態の大阪

実はこの騒動が話題になった今月18日に、大阪府遊技業協同組合が「換金停止」という通達を回した。

ちなみに、パチンコ業界内の組合・協会は、時世を読んで「営業自粛に従うべし」という方針で固まっている。ただでさえスネが傷だらけなのだから、ここで世論が「反パチンコ」に傾くのは危なすぎるという判断だろう。
それ故に、換金所を止めるという無茶をしてまで、休業の方向へ向かおうとしているのである。

これにより、現在は大阪府内の営業中のパチンコ店は換金が出来ないため、貯玉(出玉をカードに記録してその中で遊ぶ)のみで対応しているとのこと。
今すぐの換金こそ出来ないものの、騒動が明けて換金所が開きさえすれば現金に出来るので、実質的に銀行に金を預けているも同然の状態になる。

が、何があってもまず疑うクセのある私からすると、経営難の店はこの時期に無理やり営業をして(営業再開も含む)、客が殺到して売り上げが爆上がりしたところで突然夜逃げするなんてケースもあるんじゃないかと思うのだが……。

だって貯玉しか出来ないって事は、どれだけジャンジャンバリバリ大解放したって現金損失はない訳でしょう。むしろ遊ぶためにどんどん現金が入って来るじゃん。
であれば、最初から経営難でいつ閉めようかなんて状態の店だったら、経営者の逃亡資金欲しさで無茶すると思うんだ。
なんたって行政がタダで宣伝してくれるから、過去にないほどの客入りが期待出来るんだし。

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