見出し画像

老いる前にこの店を知りたかった……と遠い目になってしまう墨田区北端の名店(ラーメン珉珉/鐘ヶ淵/ラーメン)

ある時、墨田区のとあるラーメン屋について、板橋チャーハンの中の人こと刈部山本氏を筆頭に、信頼するライターさん達が口を揃えて「あの店はすげえ」と言い合っていた。

あの人達がそこまで言うなら、本当にヤバイ店なんだろうなあと思った私は、居ても立ってもいられず即日突撃……しようと思ったのだが、お店の所在地が大問題。

私が住んでいるのは墨田区の南端の両国なのだが、お店があるのは区の北端の鐘ヶ淵駅(伊勢崎線・スカイツリーライン)から徒歩数分の場所なんだという。

いやあ、全然土地勘ないわぁ。しかも両国からだと鐘ヶ淵駅にどんなルートで辿り着けばいいのか想像も出来ないわ。

画像1

悩みに悩んだ末に、今回は自転車をかっ飛ばしてスカイツリー近辺まで行き、駐輪場に停めてスカイツリー駅からスカイツリーラインに乗るというルート。時間的に多分これが一番早い。

画像2

で、ここからの道も少々厄介なので、私と同様に土地勘のない方向けに道案内しておく。

まず、鐘ヶ淵駅を出たら上の写真の左側の道を直進する。もし浅草・スカイツリー駅方面から来た場合は、交番の右側にある改札口から出て来る。

画像3

道をひたすらまっすぐ歩くと、このような大きな団地?の目の前に行き着く。ここを左に曲がって2~3分ほど歩く。

画像4

すると珉珉さんに到着。ここは店内の他にガレージっぽい部分にも席が用意されている珍しい造り。
ただ、それでも混雑する時はテーブルにありつくまでが大変らしい。

画像5

画像6

今回は14時過ぎという遅めの到着だったため待ち時間ナシで入店。ひとまずメニュー表とにらめっこしつつ、卓上の調味料を確認。おろしニンニク、辛味噌(豆板醤?)など定番品が揃っている。

画像7

この店に長年通っているという地元民が強烈にオススメして来たので、今回は「塩ラーメンの半々」を頼んでみた。何が半々なのかというと、パーコー(豚の唐揚げ)とチャーシューが半量ずつ乗っているらしい。

画像8

このパーコーの量が酷くてな……(誉めてる)
「お前これ豚肉何枚入れた?」と厳しい目つきで問い詰めたくなる量が丼の中にギュウギュウと詰め込まれている。

え、何が半々、何がハーフサイズなの?
これハーフサイズじゃなくてフルサイズ頼んだらどんな塔がそびえ立つの?

画像9

そしてパーコーにやられている場合ではない。
チャーシューもこんな有り様で分厚くてホロホロトロトロ。

画像10

嫌味かのように煮卵も1個丸ごと入って来る。
重い、このラーメンに卵が入ってるのは超重い……。

画像11

画像12

麺はちぢれの少ないストレートな細麺なのだが、不思議な事に食べやすいはずなのに中々喉を通って行かない。もう近頃は老化のせいなのか、この手のジャンク一直線な料理が辛くてのぉ。

てかな、パーコーとチャーシューが多すぎるんだって!
なんで食べても食べても減らないんだよ!

麺が伸びるというのもあるけど、パーコーも衣がスープを吸っちゃって、オタオタしてると当初よりも「重くなる」んだって。なんなんだこの拷問ラーメンは!(後の調べてパーコーは別添えが出来るらしい)


肝心の味について全然触れていない気がしたので説明しておくと、この店のラーメンスープはぶっちゃけ化学調味料味だと思う。
しかし、そこにネギなどの香草がタップリ入るため、単なる化調味とは一線を画す内容に仕上がっている。
何よりパーコーやチャーシューから出る旨味とコクが大変な事になっているので、あっさり塩味なれど味の層は意外と厚い。またそのせいか、全体的な印象が和や中のスープではなく、洋食っぽい味わいに感じることも。
まあ国籍が分からなくなるほど味が強いということなのだが、ウチの息子みたいな幼児(4歳)に食わせるにはちょっとしょっぱ過ぎるかもしれない。

墨田区の北側に住んでる人に聞くと「珉珉はソウルフードだ」くらいの事を言うし、きっと長年に渡って近隣の方々の胃袋を掴み続けたのだろう。
今はランチタイムしかやっていないようなので、その分混雑度も増していると思われるが、機会があればぜひ一度食べてみて欲しい強烈なラーメンだ。


[店名] ラーメン珉珉
[住所] 東京都墨田区墨田2-5-4
[TEL] 03-3614-1943
[営業時間] 11:15~14:30
[定休日] 火曜、第2第3水曜


◇ 著書の宣伝です
『魚屋がない商店街は危ない 東京23区の商店街と地域格差』
MM新書・マイクロマガジン社
定価994円(本体価格+税)
https://amzn.to/2S2gqbB
「商店街の衰退は街の格差を生む。繁盛している商店街は住民の教養が高い。では、商店街が廃れた地域の住民は…?」
板橋区の旧宿場町の商店街出身の私が、東京23区の主だった殆どすべての商店街と、商店街を中心とした生活動線を歩いて回り、その結果を1冊の本にまとめました。
滅びゆく存在となってしまっている商店街こそ、「誰もが豊かに」という日本の文化レベルの高さを底支えしている存在だったのです。

いいなと思ったら応援しよう!

荒井禎雄(フリーライター兼主夫)
皆様からの金銭サポートがあると、子育てに追われる哀れなオッサンの生活がいくらか楽になると思わせておいて、息子の玩具やお菓子や遊園地代で殆ど溶けます。