「ガラスケースに入った生の人間ドール」
昔々、「ガラスケースに入った人形」は、昭和のどこの家庭にもありました。
シルクのボールガウンドレスが美しいフランス人形、艶やかな和服姿の日本人形がどこかしらで多く見られた記憶があります。
そんな彼方に行ってしまった記憶が急に蘇ったのは、NHK「72時間」の「いとしのドールに見つめられて」をテレビで観たからです。
その中に出ていたドールたちに、どこかで見た覚えがありました。
ふと、子供の頃に見た「ガラスケースに入った人形」たちの顔を思い出したのです。
その時、人形の妖しさに魅せられる気持ちを忘れることができません。
そこで、やっと今になって気がついたのは、かつて、ネット上でどなたかの「菜々のWEB小説」で読んだお話の設定のこと。確か、「呪縛のプリンセスドール」という名前だったでしょうか。
もしかして、昔の「ガラスケースに入った人形」から生まれたアイデアだったのではないかということです。
物語は、生の人間を使った人形、プリンセスドールへの変化だったのです。
男の子は、徐々に調教され、身体に変身を施されます。
次第に、美しい「物」に変わっていくのが堪らなく刺激的です。
生きたままドールに変化する過程が、男の子のこの上ない喜びとなります。拒否することなく自分を自然に受け入れてしまいます。
女性へ変身させられる自分に酔い、受け入れるように仕向けられる主人公が、とても哀れ、同時に美しいのです。
記憶の底に残る作品でした。
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