見出し画像

私の晴れ着

さかのぼること1999年の春、

私服の高校に通っていたので、

卒業式に着るフォーマルウェアを用意しないとならなかった。

袴でも、振袖でも、ドレスでも、どこかの国の民族衣装でも、

本人と保護者が文句なければよかったので、

私はワンピースにした。

いつも身長が10センチ違う姉のおさがりをこだわりなく着ていて

自分のフォーマルウェアというものを持っていなかった私が、

初めて当時はまだまだイケてた(死語)学校近くの丸井をぐるぐるめぐりながら、

「コレ」という服を見つけた。

紺色一色だけど、

あちこちデザインが可愛いのが好きになってしまって、

何日も通って決めた。

2万いくらだったと思う。

親にお金出してもらった。

ただフォーマルというのはそれなりの小物が必要らしいことを当日まで知らんくて、

私よりサイズが大きな母のパンプスを履いて見事に靴ずれした。

それでも、

私服校に通いながら、

妥協妥協の服しか着ていなかった私にとって、

自分の感覚で選んだ服を着て式に出られたことは

良い区切りになった。


その服は

それからずっと着ていて、

友達の結婚式に初めて出る時も、

結婚する前の顔合わせの時も、

子どもの入園式も卒園式も

小学校の入学式も、

ずっと着ている。

今回も着物を着ていけない事情で、

中学の入学式に着て行った。

ずっと好きでいられる服に出会えたのは

ありがたいなあ、と思う。

当時は2万もする服を買うなんて…と思ったが、元はもう充分すぎるくらいとった。


しかし、

50代だとちょっとデザイン的に厳しいかもなあ…と今回思った。

私の子どもたちが好きだったら、手渡せるけど、

それぞれの趣味があるからね。

誰でも、好きになってくれる人がいたら、

その時は手渡せたらいいな。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?