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もし君を一途に愛していたならば… Ⅱ

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「起きろよ」
そう声がして顔をあげる。
「ん…寝てた?」
「うん、ぐっすり(笑)」
「あー。ごめん」
「いいよ全然。ほら、もう帰りな、彼氏さん待ってるんじゃない」
「そんなのどうでもいい」
「葵(あおい)の悪いとこだろ、そういうところ」

うとうとしながら隣にいる男の顔を見た。
そして、彼氏の顔を思い出す。罪悪感は全くと言っていいほど生まれなかった。

「大介(だいすけ)、コーヒー飲みたい」
「はいはい(笑)」
私は、昨日彼氏と大喧嘩をした。勢いで家を飛び出し、大介の家に来た。
大介とは中学時代からの友人で、大人になった今でも仲良くしている唯一の異性だった。
大介は文句を言いながらも色々やってくれる優しさがあるから、甘えてしまう。
昨夜も私にベッドを譲ってくれて大介はソファーで寝ていた。

私はスマホを開く。着信がすごいことになっていた。
ディスプレイに表示されている名前は【勇也(ゆうや)】
彼氏だ。
掛けなおす気にもならない。LINEもたくさん来ていた。

「はい、コーヒー」
「ありがと」
「ちゃんと帰りなよ、今日中に」
「・・・うん」

良い子、と大介は頭をなでた。
なんか幼稚園児みたいじゃん(笑)
もう20も過ぎたのに。

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