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もし君を一途に愛していたならば… Ⅳ

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電話の着信を知らせるバイブが私のポケットに響いた。
「葵。」
「・・・」
「出なさい」
「はぁい」

大介に言われ、しぶしぶスマホに手を伸ばす。

「はい、もしもし」
☏『今どこだよ』

荒々しい口調で彼は言った。

「さあ」
☏『ふざけてんのか』
「…ごめんなさい」
☏『…どうせ男といるんだろ」

その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが切れた。
そして怒りがこみ上げた。

「何言ってるの」
☏『お前のことだから。どうせそうだろ?』
「・・・」

否定なんかできなかった。
勇也の言うとおりだったからだ。
私は今大介と一緒にいる。大介も男だ。

☏『ほら。図星だろ』
「…ねえ、もう別れる?」
☏『は?』
「私、そんなこと言ってくる人と付き合ってて全く楽しくないよ」
☏『はあ、ごめん言いすぎたわ』
「そのため息も、その気持ちのこもってない謝罪も、もう聞き飽きた。私、男見る目が無いみたい。あんたもクズな元彼たちと同じだね。」
☏『おい、そんな言い方無いだろ。俺だってお前の愚痴とか脱ぎっぱなしの靴下片づけるのとか飽き飽きだよ。お互い様だろ、そんなもん』
「それは、別れるってことでオッケー?」
☏『ああ、もういいよ、お前なんか。俺も女見る目無かったわ。』
「じゃあさよなら。荷物は今日中にとるから、あんたはネカフェでも行ってて。」
☏『好きにしろ』

「うーわ、こわ(笑)」

目の前で笑う大介。こちらの視線に気づくと、いきなり真顔になった。

「別れたん?」
「別れてやったよ、あんな奴」
「はあ、あんなラブラブだったのに…」
「殺すぞ」
「ごめんごめん(笑)」

「本当に良かったの?」

少しの沈黙の後、大介が口を開いた。さっきまでの冗談トーンじゃなくて本気のトーンで。

「知らないよ、そんなの」

本当にそう。
何が正解かなんて本当に分からない。
今後、勇也と別れて後悔するかもしれない。でもよかった、と思うかもしれない。
何が何だか分からない状況下に置かれてる私は、右往左往していた

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