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母乳であたふたした思い出 その2

母乳が全くでなかった私。
看護師の友人が、彼女の知り合いが勤める助産院を紹介してくれ、そこで熱心な母乳マッサージを受けて授乳指導もしてもらい、晴れて完全母乳となったわけですが。


里帰り中、完全母乳となって1ヶ月もしないうちに、ある朝突然、起きたらおっぱいがガッチガチのゴリゴリに固まっていました。触ると激痛だし、なにこれ…!?となりました。

おっぱいをしぼろうとしても全然出てこなくなったのです。
なのにおっぱいはどんどん生産されていくので、出口を失ったお乳が中で詰まってしまい、大きなしこりができていました。
そしてとにかく痛い。
特に発熱したりはないけど、これ乳腺炎てやつなのかな…!??不安でいっぱいになりました。

せっかくここまでがんばってきたのに。
またあげられなくなっちゃうのかな…。
泣きそうになりながら、母乳マッサージを受けた助産院に電話をして、状況を伝えました。

そしたら、「詰まっちゃったのね、すぐにマッサージしないといけないんだけど、今日はお産が重なって母乳マッサージの時間がどうしてもとれない。とにかく自分でおっぱいをしぼってみて」みたいなこと言われて。泣

でも自分でいろいろいじくってみても一滴も出てこない。
おっぱいもゴリゴリ通り越して岩みたいになってきて激痛。

そこで自宅近くにある母乳マッサージをしてくれる場所を検索し、電話をかけてみたら、今から来てくださいと言ってくださったところがあり、さっそく赤ちゃんを連れて伺うことになりました。

訪ねてみると、70代後半?くらいの白髪の優しそうな助産師のおばあさんが出てきました。岩のようにゴリゴリで四角くなった私のおっぱいを見て、
「あら~。これはこれは…」と。

2時間くらい、四方八方からグイグイとマッサージをしてもらい、詰まりが取れると、おっぱいがプシャーーーと飛び出してきました。
耐えがたい激痛マッサージでしたが、終わってからすぐ娘に吸わせることができました。

今回は乳腺炎ではないけど、今後食べるものに気をつけるように言われたのと、とにかく今おっぱいが傷ついている状態だから、しばらくの間「じゃがいも湿布」をやってみて、と言われました。

じゃがいも湿布とは。。。
じゃがいもをひたすらショリショリすりおろし、それをキッチンペーパーでくるんで胸に当てて冷やすという民間療法。

しかも乳首はじゃがいものでんぷんで荒れちゃうかもしれないから、乳首には冷やしたキャベツの葉っぱを当ててね、と…。

帰ってすぐにじゃがいもをすりまくる。

下着にジャガイモ湿布を挟みこみ、乳首には小さい丸に切りキンキンに冷やしたキャベツをそっと当てる私を見て、ギョッとする母。
すごい出で立ちとなりました。

食べるものも、マッサージのおばあさんからの指導通りに白米に具だくさんのお味噌汁、煮物等のあっさり和風なおかずのみ。
お肉はささみのみ。魚は白魚のみ。パン禁止。飲み物はあたたかいお茶オンリー。(しかも夏だった)

そして、「夜間は体も疲れているからおっぱいの出が悪くなる。夜中におにぎりを2、3つ食べて分泌量を増やしてね」というアドバイスもそのまま実行しました。

おっぱいには常にじゃがいも湿布(&キャベツ)。
枕元にはおにぎりを用意して夜間授乳にそなえる、と。
寝てて授乳で起きた寝ぼけた状態の夜中なんてお腹減っていないんですよ全然。
でも一生懸命おにぎりを食べました。

おっぱいはじゃがいもでかぶれてかゆくなり、真っ赤になりました。
下着も黒くなってしまって何枚もだめにしました。

でも、またおっぱいがつまるのが怖くて。
また母乳をあげられなくなるのが怖くて。

必死にやりました。

色々と大変なじゃがいも湿布じゃなくたって、冷えピタをぺぺっと貼っておけばいいじゃん、と今は思うんですけどね。
あのおっぱいが辛かった時にお世話をしてくれた助産師さんの言うことだから、ちゃんとやらなくちゃ!授乳のために!と思ったのです。

おばあさんマッサージには2、3回通ってじゃがいも湿布も卒業し、里帰りから自宅へ戻ってからも質素な食事メニューは続けていました。
授乳前にはおっぱいをさわってしこりはないかな?つまりそうな箇所はないかな?と調べて。
夜中もおっぱいが詰まらないように、授乳は必ず2、3時間おきに。

それでも生後5、6ヶ月頃までは、多い時に週に2、3回は詰まっていました。
自宅まで出張してくれる母乳マッサージ専門の助産師さんに出会って、その方に毎回お願いしていました。

「あなたは乳腺がクモの糸のように細いの。こういう人は詰まりやすいんだけど、これはもう体質だからしょうがないの。おっぱいは詰まるもの、って考えといて」

と、その助産師さんに言われて、それからはもう開き直りました。
私にとっての母乳育児とは、こういうものなんだと。

今は、母乳の詰まりは食事と関係ないとも言われているんですよね。
でも6年前の当時は、厳しい食事制限を言われることが多かったように思います。

おかげで(?)ガリガリに痩せました。
まぁ、母乳をあげなくなったら一瞬で戻りましたが。

今思い返してみたら、辛い「母乳育児」になってしまっていましたね。
でも、あの頃は本当に、

母乳をあげなくては!
母乳をあげることができる母親でいなくては!!

と、思い詰めていました。

食べたいものがあってもまず、「これっておっぱい詰まるかな?」と考えちゃう。
こんなに色々我慢して、詰まらないか毎日ドキドキして、そこまでして母乳をあげ続ける意味ってなんだろう…などと考える時も多々ありました。

「母乳」をがんばりすぎていました。


・・・またまた長くなっちゃった。
その3へ続くー!


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