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モロッコとの縁を示すもの

サラマリコーン!
モロッコと関わり出して、今年で8年目。
今では、この国にいることが”当たり前”のように生きている。
が、
2004年〜2013年の酪農家時代は、年に1日の休暇もままならない生活をしていた時、まさか、10数年後には、遠く離れたアフリカ大陸で生きていく。
なんて、
1ミリも考えつかなかった。
でもね・・・
ちゃんと、宇宙は、私に『サイン』を送っていたのです。

それは、私の名前『イトウ』と言う姓。
これは、旧姓でなく、結婚した先の姓。

”イトウくん”と、出会った当時、呼んでいた、元旦那。
彼は、酪農青年で、私は、その担当の獣医師だった。
全くの仕事上の付き合いで、
私は、鶏豚担当の獣医。
彼は、乳牛農家。
接触も、そんなに多くはなかった。
のに、
彼と、話してる時、ふっと
『私、この人と結婚するのかも』と言う感覚だけが不思議に上がって
でも、その当時、私は、他に付き合ってる人がいて
思わず『ちょっと待っててね』と、いう声がした。

その後、2年ほどして、あれよあれよ・・と言う間に
私は、『イトウ』を名乗るようになった。
彼との9年間は、本当に、人生で一番苦労があり
そして、もっとも大切な経験をした。
彼とは、喧嘩も沢山したけれど、
お互いに『愛し合っていた』
結婚には、到底不向きな、
酪農経営も全くお粗末な
二人が、”体当たり”で過ごした9年間。

離婚は、決意しても、その姓を捨てる気などなく、
もう、『イトウ』は、大事な私の一部になっていた。

ある日、モロッコで、ベルベル族の青年と知り合いになり
彼が、突然、『イトウは、ベルベル族の女性の名前だよ』
『え?本当?』
そう、モロッコの原住民であるベルベル族の女性の名前に
『イトウ』があるそうだ。
日本では、『トメ』とか『フネ』のように古い女性の名前。

当時、結婚を前提に付き合ってた、モロッコ人の彼との失恋で
私は、『なんでモロッコにいるの?』と自問自答していた。

『え?』

空港のパスポートコントロールや
地元の銀行でも、
今では、この『イトウ』を見ると
人々は、喜ぶ。
『マルハバ(ウエルカムのアラビア語)!』
彼らは、大抵が”ベルベルの民”
自分の祖母世代の名前を持つ、日本人の女性。
その『イトウ』の名前のおかげで、彼らは、途端にハートが開いた感じになる。
そして、この『イトウ』のおかげで、モロッコでは、多くの助けに出会っている。

モロッコの”モ"の字もない頃に
すでに、私が、ここに強い縁を持っていることを
教えてくれるかのような『イトウ』

今の自己紹介の言葉は
『Ana Ito (私は、イトウです)』

(写真は、我が家の屋上から。珍しく雲が出ていたので、パチリ。
この村も、古い歴史を持つ、ベルベル族の村である)



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